水チャネルのアクアポリン(AQP)類は一部の漢方薬の標的分子であることが示唆されている.本研究ではAQPの機能・発現の調節とそれらに対する漢方薬の作用を調べた.まず,肺上皮型のAQP5は自然免疫系サイトカインに対する応答を亢進する一方で,Th2サイトカイン応答を抑制することを見出した.またAQP5の細胞内での膜移行には本タンパク質のC末端領域およびezrinとの相互作用の重要性を示した.さらに,漢方薬の作用についても,五苓散が消化管型のAQP3発現を促進することで止瀉作用を示す一方で,脳型のAQP4による炎症応答亢進機能を抑制することで脳選択的な抗炎症作用を示すことを示した.
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