研究課題/領域番号 |
20K07796
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
坂元 直行 朝日大学, 歯学部, 教授 (40547981)
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研究分担者 |
八木 信明 朝日大学, 歯学部, 教授 (40536439)
石川 剛 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90372846)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 免疫放射線療法 / シンプトンマネジメント / 免疫チェックポイント阻害剤 / 疾患特異的QOL / 内因性腫瘍抗原 |
研究実績の概要 |
がん治療によるQOLの改善効果について洞察し、その妥当性について評価が行われるべき時代となりつつある。こうした背景から延命効果に加えて、QOLの改善とがん関連症状の軽減が得られるような集学的治療の確立が急務である。 これまで、我々は進行性の貧血を伴う進行胃がん症例に対して姑息的放射線療法を実施し、放射線治療後に胃がん局所の活動性を低下させることができた症例においては、進行性貧血の制御だけでなく、放射線治療がQOLの改善に寄与した可能性があることを確認している。一方、我々は進行胃がんにおいてがん病態に関連しているIL-8やVEGFの血清レベルや末梢血インターフェロンγ産生能が疾患特異的QOLを反映しており、有用なQOL関連バイオマーカーの一つとなりうることを見出いしてる。さらに治療介入によりQOLが向上し、それに伴ってQOL関連バイオマーカーが連動することも確認しており、姑息的放射線療法による進行消化器がん患者のQOLの向上効果について、現在検証を行ってる。さらに放射線治療はin situ tumor vaccineとしてブースター効果を発揮する可能性があり、また、がん局所に免疫担当細胞の集積がない「cold tumor」を放射線治療はがん局所にT細胞の浸潤を促して、「hot tumor」へ変換さる可能性があると考えられている。そこでこうした免疫調整性のポテンシャルを有する放射線療法の組み合せにより、消化器がんに対する免疫チェックポイント阻害剤の効果が増強されるのか、検証を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
解析対象を消化器がんとして、症例の蓄積に努めている
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今後の研究の推進方策 |
新規シンプトンマネジメント法の開発基盤を確立するため、引き続いて臨床データを集積する予定である
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次年度使用額が生じた理由 |
各種血清バイオマーカーを測定する際の物品には使用期限があり、臨床検体の集積が完了するまで、これらの購入を延期した。臨床検体の集積が完了した際に各種血清バイオマーカーを測定するための物品を購入する予定である。
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