研究課題
本プロジェクトのR4年度の目標は、①マイクログリアの病的変化の評価方法の確立、②モデルマウスにおける抗アミロイドβ(Aβ抗体投与量とAβO量の変化の関係を明らかにする、③抗AβO抗体投与時のAD病理の変化であった。R2-3年度の、新型コロナウイルス感染症の流行により、動物実験施設への入場及び実験が制限があり、実験計画を一部修正し、①のマイクログリアの病的変化は計画から削除し、アミロイドに関する②と③を、解析する毒性アミロイド種を増やして、研究を完成することとした。①令和2年度の結果より、Aβの増加が線形であるのに対し、AβOの増加は指数関数的であることが確認できたため、他のAβOである、ピログルタミルAβやtoxic AβO conformer等について、抗AβO抗体投与前後で評価をおこなった。②抗AβO 抗体と抗Aβ抗体のアミロイド凝集抑制比較するために、アミロイド凝集抑制実験を追加した。③抗AβO 抗体を投与したADモデルマウスの行動解析を行って、in vivoでの有効性を確認した。④ADモデルマウス(APPswe, PSEN1ΔE9)を用いて、抗AβO抗体から作製したfragment抗体(Fab)やBBB通過型ミセルに抗AβO抗体Fabを抹消から投与した際の脳への移行の差異を確認し、約80倍の移行があることを確認した。
3: やや遅れている
新型コロナウイルス感染症の流行による、実験用マウスの飼育数、動物実験施設への入場及び実験が制限されたため、使用するモデルマウスの変更となり、マイクログリアの解析の代わりに毒性アミロイド種の数を増やして解析した。
R5年度が最終年度であるため、投与する抗AβO抗体に対する、脳内のAβOを含めた毒性アミロイド種の定量的変化を明らかにし、さらに、行動解析による有効性を確認する。
ほぼ予定どおりの研究費を使用しており、次年度への繰越はほとんどなかった。
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Journal of Nanobiotechnology
巻: 21 ページ: 36
10.1186/s12951-023-01772-y