2021 年度実施状況報告書

伝統薬物成分、合成成分の発癌と癌増殖に及ぼす免疫機能活性化・制御と環境制御作用

研究課題

研究課題/領域番号	20K07804
研究機関	大阪医科薬科大学
研究代表者	木村善行大阪医科薬科大学, 薬学部, その他 (20294796)
研究期間 (年度)	2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード	癌 / 伝統薬物成分 / 薬理学 / 生理活性 / 免疫機能
研究実績の概要	1) 伝統薬物成分Resveratrol関連Stilbene類3種類の2,3-, 3,4-, 4,4'-Dihydroxystibeneは、Azoxymethane（AOM)とDextran Sulfate Sodium(DSS)誘発大腸癌の増殖を抑制をCOX-2発現抑制を介したCytokine類(IL-1β)、MCP-1およびPD-1増加の抑制による事を明らかにした(Eur. J. Pharmacol.2020, 886, 173445 Open Access)。 2) 関連化合物Piceatannol(3,5,3',4'-Tetrahydroxystilbene)もAOM/DSS誘発大腸癌を抑制し、大腸組織中MCP-1、PD-1およびCOX-2発現抑制を介することを見出した(Nutr Cancer 2021 Oct 8; 1-12)。 3) 伝統薬物「オウゴン」中の2種類のTetrahydroxy-およびPentahydroxyflavanoneのAOM/DSS誘発大腸癌の増殖に影響を検討し、2種類のHydroxyflavanoneに大腸癌の増殖を抑制し、2種類のHydroxyflavanoneによる大腸癌増殖抑制は、大腸癌の微小環境のTOX/TOX2によるCD8＋T-リンパ球の疲弊の抑制やCOX-2発現抑制を介してのIL-10、PD-1の産生抑制に密接に関与していることを推察した(Phytomedicine 2022 100: 154076)。
現在までの達成度 (区分)	現在までの達成度 (区分) 2: おおむね順調に進展している理由前回は、コロナ禍で試薬や動物の発注の遅れがあり、研究進捗状況が遅延し、当方自身の研究生活の続行が不可能となった。令和3年度の研究は前半が順調に進み、研究進捗は大幅に改善した。後半は、研究はコロナ禍で中断したが、論文作成等に切り替えた。
今後の研究の推進方策	Stilbene類およびFlavanone類を大腸癌の増殖に対する影響を検討した。最終年度は、Galloyltannin化合物の大腸癌の増殖を検討する予定である。