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2022 年度 実施状況報告書

血中エクソソームmicroRNAに着目した認知症の予測・診断法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K07805
研究機関愛媛大学

研究代表者

外山 研介  愛媛大学, 医学系研究科, 特任講師 (60793346)

研究分担者 茂木 正樹  愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (20363236)
三宅 吉博  愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (50330246)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードmicroRNA / 認知症
研究実績の概要

血管疾患という側面から認知症等の治療・予測・診断の戦略構築に結びつく成果を目指して研究開発に取り組んでおり、特にmicroRNAに着目して研究しています。これまでに認知機能障害を起こした脳内で発現が上昇するmicroRNAを複数見つけており、それぞれの制御遺伝子の同定をバイオインフォマティクスなどの情報科学を駆使して試みています。

血中エクソソームmicroRNAが実臨床で使われるためには、様々な課題があります。そのうちの一つが疾患特異性の担保であり、microRNAが複数の遺伝子発現を制御できるという研究開発の利点が裏目に出ることになっています。このため、申請時当初は、複数のmicroRNAを組み合わせた指標での認知症の診断バイオマーカーを考えていましたが、本課題も通じた研究活動により、単独指標での診断も可能であることが明らかになってきたため、その成果物を現在 論文としてまとめています。

認知症の治療法や治療薬を見つけることが困難な理由は、認知症の主要な背景因子が老化であるにもかかわらず、これまでの創薬開発やドラッグスクリーニング研究において「老化」を加味した細胞実験環境で行われていないことが原因ではないかと考えています。我々はmicroRNAが複雑な相互ネットワークを通じて様々な遺伝子を微調整していることに着目してきました。その結果、複数のmicroRNAを一度に修飾・制御することで、血液脳関門の構成細胞の一つである血管内皮細胞を老化・劣化させることが可能であることを明らかにし、当該年度に研究論文として公表しました。この老化を短時間で誘導する技術が、今後の認知症の創薬研究に役立つことを期待しています。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

一部が研究計画通りに進めなかったため研究計画自体の変更を余儀なくされた。このことから、総じて進捗状況はやや遅れているとした。

今後の研究の推進方策

当初から注目していたmicroRNAの制御遺伝子を、バイオインフォマティクスなどの情報科学を駆使して特定しましたが、その詳細なメカニズムの解明には苦戦しています。疾患動物モデルを新たに用いた解析も検討していますが、単一のmicroRNAだけで診断が可能な成果も出始めたため、それらの研究成果を公表していく方針も立てています。

次年度使用額が生じた理由

COVID19や紛争、物価上昇等の影響による研究消耗品等の必要物資の滞りもあり、研究全般の進みが遅延しました。このため、一部の物資や消耗品の購入を検討している費用を次年度以降に繰越することとしました。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 図書 (1件)

  • [国際共同研究] Stanford University School of Medicine(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      Stanford University School of Medicine
  • [国際共同研究] Heinrich-Heine-University(ドイツ)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      Heinrich-Heine-University
  • [雑誌論文] Role of MicroRNAs in acceleration of vascular endothelial senescence2022

    • 著者名/発表者名
      Toyama Kensuke、Spin Joshua M.、Deng Alicia C.、Abe Yasunori、Tsao Philip S.、Mogi Masaki
    • 雑誌名

      Biochemistry and Biophysics Reports

      巻: 30 ページ: 101281~101281

    • DOI

      10.1016/j.bbrep.2022.101281

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [図書] BBB-単なる障壁ではない(認知機能障害におけるmicroRNAの診断的意義)2022

    • 著者名/発表者名
      外山研介
    • 総ページ数
      5
    • 出版者
      Clinical Neuroscience、40巻12号、pp1594-1598、中外医学社

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公開日: 2023-12-25  

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