研究課題/領域番号 |
20K07809
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
城島 輝雄 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (90420794)
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研究分担者 |
薄井 勲 獨協医科大学, 医学部, 教授 (50377272)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 糖尿病性心筋症 / SGLT2阻害薬 / GLP-1受容体作動薬 / CD-1db/dbマウス |
研究実績の概要 |
2型糖尿病心不全モデル動物として重度の心筋肥大・線維化・拡張障害などを認めるモデル マウスは少ない。申請者は予備的検討で、CD-1系統にレプチン受容体不全db遺伝子を戻し交配で導入することによりCD-1db/dbマウスを作成し、CD-1db/dbが汎用されているBKSdb/dbに比し16週齢で重度の心筋肥大・心筋線維化を認めることを確認した。これらの結果は、近年の糖尿病性心不全に対する糖尿病治療薬の心血管アウトカム解析において、CD-1db/dbが優れたモデルであることを示唆している。本研究では詳細にCD-1db/dbに糖尿病治療薬の投与実験を実施することで、責任分子機構の解析を行う。 令和2年度の検討では、既に臓器を採取した心筋における肥大の評価と、高血糖状態に至る原因の膵組織のβ細胞の形態学的な変化を免疫染色などで確認した。インスリン染色においてβ細胞の減少が確認されている。 また、本実験における準備として、金沢医科大学よりCD-1db/mマウスを受精卵より孵し、CD-1db/dbマウスへの系統樹立のためのジェノタイピングを開始した。現在、ジェノタイピング方法の相違によりトラブルに対応し、条件設定を行いながら、CD-1db/dbマウス作成を行っている。現時点において、CD-1db/mマウスという、ヘテロマウスの作成には成功しているものの、ホモ型であるCD-1db/dbマウスの樹立には至っていない。日本クレアにて受精卵を孵化させる方向と、当院実験動物舎にて受精卵からの孵す方向でも検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の目的は、糖尿病性心筋症の状態を模した高血糖かつ心筋線維化モデルマウスによる糖尿病治療薬の心保護効果の分子メカニズムの解明である。 現在、心筋線維化モデルマウスであるCD-1db/dbマウスの心筋の状態の解析を行っており、心筋線維化に進展する病態を病理を用いて評価している。しかし、CD-1db/dbマウスの作成・系統維持に現在、難渋している。マウスモデルを作成した金沢医科大学より、再度受精卵を譲渡頂き、当院にて再度マウスモデルの樹立・再系統維持を行っている最中である。 令和3年度中に、系統維持することで、マウスモデルに糖尿病治療薬を投与し、予備実験までを終了する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
当院での、CD-1db/dbマウスの系統維持に難渋していることから、再度、受精卵を金沢医大より譲渡していただき、再樹立を施行していく。 系統維持が可能となった段階で、速やかに薬剤投与(糖尿病治療薬;GLP-1受容体アナログ、SGLT2阻害薬)により、予備実験を完了し、本試験へと移行を完了していく。 具体的には、①体重、心筋重量の評価 ②マウス用心エコーにより心機能の評価 ③real time RT-CPR、蛍光染色・免疫染色を駆使した心筋線維化における定量的な評価 ③蛋白発現の評価をwestern blotにて行う。 上記検討を、本実験にて再現性を評価していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和2年度に繰越金が発生した理由は、以下の通りである。 令和2年度には、マウスの凍結胚からの外注会社でのふ化・系統の維持に困難を要した。また、CD-1db/dbマウスのジェノタイピングが正確に評価できず、複数回の検討を重ねたのみとなり、マウスの解析や実験が予定よりも大幅に減少したため、解析に必要な物品やその購入費が予定よりも少なくなってしまった。 令和3年度は、当初予定していた実験を進める予定であり、繰越金を今後、それらの解析に必要な物品購入費として使用する予定である。
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