研究課題/領域番号 |
20K07813
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研究機関 | 関西医療大学 |
研究代表者 |
伊藤 俊治 関西医療大学, 保健医療学部, 教授 (50275351)
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研究分担者 |
山口 由美子 関西医療大学, 保健医療学部, 講師 (00454661)
大瀧 博文 関西医療大学, 保健医療学部, 准教授 (00733172)
深澤 洋滋 関西医療大学, 保健医療学部, 教授 (70336882)
畑村 育次 関西医療大学, 保健医療学部, 教授 (80336883)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | エストロゲン / 鍼刺激 / 運動器 / 前十字靭帯 / 腸内細菌叢 |
研究実績の概要 |
本年度は、昨年度に始めた予備的実験の結果を受け、本格的な検討を3シリーズ実施した。第一に、実験動物種をマウスからラットに変更したことから、マウスで行っていた三陰交相当部位への鍼刺激によるエストロゲン動態の変化が、ラットでも観察されるかどうかについて検討した。その結果、ラットでも同じような傾向の結果が得られることが明らかとなった。 第二に、腸内細菌叢の変化が鍼刺激により直接引き起こされるものか、それとも鍼刺激によるエストロゲン動態の変化によって二次的に引き起こされるものかを検討するため、ラットに徐放性エストロゲン製剤を投与し、腸内細菌叢の変化について検討した。エストロゲンの長期投与では、顕著な腸内細菌叢の変化は観察されず、予備実験で観察された腸内細菌叢の変化は、鍼刺激によってもたらされるものであることが強く示唆された。 第三に鍼刺激による、他の骨代謝系ホルモンの変化と骨周辺組織の変化について検討した。三陰交相当部位への鍼刺激では、レプチンは変動が認められず、ホルモン変動がエストロゲン特異的に起こっていることが確認された。また、骨以外の周辺組織については、横紋筋の筋修復マーカータンパク質の一つに変動が見られるとの結果を得られた。また、前十字靭帯組織の強度も変動することが確かめられた。このような変化は第二シリーズで行ったエストロゲン長期投与のサンプルでも部分的に観察され、一連の反応である事が示唆された。 また今回のシリーズとは逆にエストロゲンを低下させた場合に逆の反応が惹起されるかどうか、つまり鍼刺激による反応の全てがエストロゲン経由で起こるかどうかを確かめるために、卵巣摘出術による確認実験を予備的に試みた。
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