本研究は全身性エリテマトーデスで産生される抗DNA抗体の,病態形成上の役割を明らかにすることを目的として計画した.モノクローナル抗DNA抗体WB-6は,単球に取り込まれて組織因子の発現および血栓形成傾向をもたらすが,これにはToll-like receptor 9の経路が関わっていることを証明した.2本鎖(ds)DNA特異的モノクローナル抗体2C10は単球に取り込まれて,末梢血単核球にIFN-alphaなどの産生を誘導する.これらの結果を発展させ,抗DNA抗体が中枢神経系の細胞にも取り込まれるか否かを検討したところ,WB-6および2C10がラットのアストロサイトに取り込まれることが観察された.
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