研究課題
マクロファージによるアポトーシス細胞の貪食は、エフェロサイトーシスと呼ばれ、組織修復や炎症の収束における重要な機能のひとつであり、エフェロサイトーシスの障害が喘息などの気道炎症で観察されたことが報告されている。本研究では、NC/Ngaマウスでみられる2型優位の免疫応答におけるエフェロサイトーシスの関与について検討した。NC/NgaマウスのBMDMは、BALB/cマウスのBMDMと比較して、ラテックスビーズの貪食量およびエフェロサイトーシスが有意に低下していた。次に、NC/Ngaマウスの肺胞マクロファージによるアポトーシス誘導Jurkat T細胞のエフェロサイトーシスを評価した。CFSE標識したアポトーシス誘導Jurkat T細胞をBALB/cマウスとNC/Ngaマウスに気管内投与し、投与4時間後に気管支肺胞洗浄液 (BALF)を回収した。NC/Ngaマウスでの肺胞マクロファージによるアポトーシス誘導Jurkat T細胞の除去率は、BALB/cマウスに比べて低下していた。さらに、炎症条件下でのエフェロサイトーシスを評価した。短期間パパインを経鼻投与し自然免疫によるアレルギー性気道炎症モデルを作製した。パパイン注入により、BALB/cマウスとNC/Ngaマウスの両方で総細胞数および好中球や好酸球などの肺内に浸潤した免疫細胞の数が増加していた。BALB/cマウスとNC/Ngaマウスの間で炎症の程度は同程度であったが、NC/NgaマウスではBALB/cマウスに比べて、エフェロサイトーシス細胞の数と割合が減少していた。これらの結果は、NC/Ngaマウスがエフェロサイトーシスの障害によって2型優位の炎症を促進あるいは持続させる可能性を示唆している。
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