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2020 年度 実施状況報告書

非アルコール性脂肪性肝炎進展を抑制するマクロファージを用いた新しい細胞治療

研究課題

研究課題/領域番号 20K07825
研究機関香川大学

研究代表者

森下 朝洋  香川大学, 医学部附属病院, 講師 (60423430)

研究分担者 正木 勉  香川大学, 医学部, 教授 (30335848)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードマイクロRNA / MYD88
研究実績の概要

これまでNASHモデルにおいて、ガレクチン9が肝内での腸内細菌の逆行性感染に対する過剰な免疫応答を抑制し、脂肪性肝炎の進展を調節することでNASH進展を抑制することをNASH進展モデルマウスを用いて確認してきた。しかしながら、ガレクチン9は局所における濃度の問題や、delivery等の問題があり、直接投与することが困難であると考えられた。そこで今回我々はマクロファージ(クッパー細胞)をNASH進展に関与する様々な分子の分泌あるいはそれらの運び屋としての可能性に注目した。今回の目的は、肝の炎症および線維化部においてクッパー細胞が肝線維化を含むNASH進展関与分子の分泌調整をすることで線維化進展を抑制できるか、またクッパー細胞を制御するターゲットマイクロRNAを網羅的に解析することである。
今回、1)局所への的確なdelivery、2)局所での分子の至適濃度をもたらすために、クッパー細胞をその標的とした。遺伝子改変マウスを用い、クッパー細胞内、または肝細胞内で炎症に関与するTLR4のsignaling pathwayの重要な分子であるMYD88を、それぞれ特異的にノックアウトするマウスを作成した。これらのマウスを用い、STAMマウスを作成し、クッパー細胞内、または肝細胞内でMYD88を欠損するこで、NASH進展、特に炎症や線維化の改善をきたすかを検討する。またMYD88によるクッパー細胞、および肝細胞を調節するマイクロRNAを網羅的に解析し、NASHの新たな病態の解明や治療薬となりうる標的マイクロRNAを同定する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

マクロファージ特異的MYD88欠損マウスと肝細胞特異的MYD88欠損マウスの作成をしているが、繁殖力は弱く、実験に必要な数まで達していないため、交配を繰り返している。しかしながら、少しずつ数が増えつつあり、近日中に当初の実験計画に近づいている。

今後の研究の推進方策

実験開始に必要なMYD88欠損マウスの数が得られ次第、それらのマウスを用い、NASHモデルであるSTAMマウスを作成し、当初の実験計画どおり遂行する。NASHに進展した段階で、それらマウスを犠死させ、マクロファージと肝臓を取り出し、マイクロRNAを抽出、アレイにて網羅的解析を行う。それらより得られた候補ターゲットマイクロRNAをリアルタイムRT-PCR等を用いて同定する。

次年度使用額が生じた理由

MYD88欠損マウスの作成がやや遅れており、それによるNASHマウスモデル作成に時間がかかり、マイクロRNA解析のための物品の消費がすくなかったため、次年度使用に繰り越しています。

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公開日: 2021-12-27  

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