研究課題/領域番号 |
20K07830
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研究機関 | 東北医科薬科大学 |
研究代表者 |
古川 勝敏 東北医科薬科大学, 医学部, 教授 (30241631)
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研究分担者 |
佐藤 滋 東北医科薬科大学, 医学部, 准教授 (00311564) [辞退]
住友 和弘 東北医科薬科大学, 医学部, 准教授 (10447104)
大原 貴裕 東北医科薬科大学, 医学部, 准教授 (70443504)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 災害医療 |
研究実績の概要 |
2022年度も、更にアンケート調査票、研究の説明文、在宅診療についての作成を進めた。アンケート研究参加同意書を郵送し、2-4週間後、調査者が仮設住宅の各戸を訪問し、被調査者に十分な説明を行い、インフォームドコンセントを得た上で診査票を回収した。その際、同意書の不備、アンケートの記載漏れ等をチェックし、必要があれば完成までの補助を行った。(1)調査者は訪問時に被調査者の握力(右、左)を計測した。(2)簡易認知機能検査は「物忘れ相談プログラム」(日本光電社 MSP-1000とMSP-1100)を用いて行っている。このプログラムはコンピューターのタッチパネルを用いて行う高齢者にも取り扱いの容易なプログラムである。質問の内容は、認知症スクリーニング検査として世界で最も汎用されているMini-Mental State Examination (MMSE)の主要項目を網羅しており、認知症発症のスクリーニング検査法として非常に有用な装置である。仮設住宅の集会所またはそれに準ずる場所に「物忘れ相談プログラム」を設置し、医師、看護師、または調査者が被調査者を集会所に招いて、機械の取り扱い方を十分に説明した後に、プログラムを施行した。「物忘れ相談プログラム」と並行して、サルコペニアの状況を把握するために、大腿周囲径、下腿周囲径、上腕周囲径、およびインピーダンス法による筋肉量測定を継続している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、対面の調査に支障が生じた。今後は、感染の状況を鑑み、感染の広がりが酷くなければ、積極的に対面調査を進めて行く。
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今後の研究の推進方策 |
本研究に参加することにより期待される利益および被験者に起こりうる危険性ならびに必然的に伴う不快な状態を十分に説明し、研究を遂行していく。本研究は東北医科薬科大学等から支援活動を行っている医師が主体となり、石巻市立病院、こだまホスピタルと連携して行われているため、本研究の遂行により、健康状態に問題、不安がある場合に迅速に適切な医療支援、医療機関受診のアドバイスが得られることが期待される。また、得られた知見を基に石巻市民に対し有益な医療に関する情報や方策を提供・提言していく。一方、本研究はアンケート調査とコンピューターを用いた簡易認知機能検査と一般検診だけなので、特段の危険や侵襲は伴わない。しかしながら、本研究に参加することにより地震、津波、家族や家屋の喪失を想起するきっかけとなり、一時的に心身が不安定になる可能性がある。研究参加中に大震災の状況が想起され心身が不安定になった場合には、仮設住宅サポートセンターの職員や保健師、看護師に連絡をとるように記載し、そのようなケースに適切に対応できるようにする。本研究により対象者に関わる個人情報が不適切に管理されれば情報が漏洩する可能性があるため、本研究では情報の管理に細心の注意を払い研究を継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染がまん延し、対面の調査研究が不可能だったため。
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