研究課題/領域番号 |
20K07841
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
木村 孝穂 群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (90396656)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 脂質代謝 / LPL / GPIHBP1 / HTGL / 運動療法 / 有酸素療法 / レジスタンス運動 / 中高年 |
研究実績の概要 |
本研究は中高年者を対象として6ヵ月間運動療法を実施した際の血中脂質代謝に与える影響を血中リパーゼ濃度の変動を中心に解析を行うものである。対象者の登録目標は研究期間内に100名を目標としている。2020年当初に中国で発症した新型コロナウイルス感染症の影響が大きく、研究対象者としての登録は21名となっている。新型コロナウイルス感染症の影響で運動療法を中断となった参加者が多く、6ヵ月の運動療法が終了し、採血並びに体組成の測定が終了しているのは7名である。7名は医師と運動療法士の指導の下、体格、筋肉量や脂肪体重などの体組成を基に有酸素運動とレジスタンス運動のメニューを立案し、運動療法士の指導のもとで6ヵ月間、運動療法を実施した。7名については体組成と血中の脂質代謝マーカーおよびLPL、GPIHBP1、HTGL等の測定は終了してる。14名が運動療法開始前の体組成測定、採血を実施しているが運動療法中断となっていたり、運動療法を再開した参加者もいる。新型コロナウイルス感染症対策として緊急事態宣言が繰り返し発出されており、新規研究対象者の登録が当初の期待通り進んでいない状況である。研究対象者として登録いただいた方は女性がほとんどで、結果解析に当たり、研究対象者の性別に偏りがでる可能性が高い。運動療法の実施に当たり、事故やケガなどの有害事象は起こらず、運動療法は問題なく実施できている。研究対象者としての登録に当たり、本研究の意義や登録の自由等につき十分な説明を行った上で、対象者としての本研究への参加の有無につき本人の同意と署名を頂いたうえで研究対象者とすして登録を行っている。本研究はヘルシンキ宣言を遵守して実施している。また、研究対象者の個人情報の漏洩などの事務処理的な有害事象は発生していない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究対象者は100例の登録を目標に本研究を立案し、研究を開始している。研究計画立案中は新型コロナウイルス感染症の発生はない状況であったため本研究計画時に比べ社会的状況が大きく変化した。新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐために日本国内で移動や人が集まることを控えざるを得ない状況が継続している。本報告書作成時点の2022年4月20日現在も外出や人が集まって何かを行うことが制限された状況であり、運動施設で運動療法を実施することがやりにくい状況が継続している。本研究実施に当たり厳しい社会状況が継続中であるが徐々に制限も緩和されていることに加え、国内ではマスク、ソーシャルディスタンスなど感染対策を遵守することも習慣化してきているため今後の参加登録者の増加を期待している。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の拡大が収まらない状況であるが、感染症対策を遵守した上で本研究を継続し、運動療法の参加者の募集と運動療法の実施を続けていく。スポーツ庁はホームページで新型コロナウイルス感染症拡大防止のために運動不足となる方が多く、運動不足により起こりやすくなる健康障害や、感染症拡大に対する予防策を実施しながらできる運動方法などを提示し、現在の環境下で可能な運動をすることが健康維持に重要であることを訴えている。このような情報を積極的に活用して運動不足を解消し、運動療法で積極的に健康増進を図ることをサポートして行きたい。本研究の成果を用いて毎日の運動による健康増進効果を証明し、エビデンスに基づく運動療法として発表していきたい。また、感染対策の遵守で運動施設における運動も問題なく可能であることも社会的に認知されてきているので引き続き研究協力者の募集を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症流行の影響で研究協力者の募集に対して期待通りに応募者が増えなかったことと、本研究に協力したものの新型コロナウイルス感染症流行の影響を受け、運動療法を中断せざるを得なくなる等の状況が継続しているため計画通りに運動療法が進んでいない。この状況が主な原因となり予定通りの使用額に至らなかったと考えている。新型コロナウイルス感染症の流行は収束していないながらも社会活動が再開されつつあるため今年度は研究協力者の増加が期待できる。
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