研究課題/領域番号 |
20K07851
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
赤崎 雄一 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (00631920)
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研究分担者 |
池田 義之 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (00573023)
窪薗 琢郎 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 講師 (00598013)
大石 充 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (50335345)
徳重 明央 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70780287)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ミトコンドリア / ミトコンドリア機能 / サルコペニア / 老化 / 酸化ストレス / アンジオテンシン |
研究実績の概要 |
抗癌剤や分子標的薬の進歩に伴い、癌による生命予後は改善したため、決して予後の悪いものだけでなくなったが、抗癌剤の使用に伴い心筋障害が増加し、生命予後を増悪することがある。同様に、抗癌剤による骨格筋障害は、日常生活や心不全予後にも影響する。心機能障害と骨格筋障害は相互に作用しており、これらの筋障害が悪循環を起こしている可能性がある心機能障害と骨格筋障害は、相互に影響していることが示唆され、治療法を確立することが期待される。オルタナティブオートファジーの低下がドキソルビシンによる心筋障害および骨格筋障害の分子機序に関与することを明らかにし、治療方法確立を目指すために研究を行った。:(I) in vitro:H9c2 ラット心筋芽細胞およびマウス骨格筋由来筋芽細胞株 C2C12 細胞を用いて以下の実験を行った。C2C12 細胞、H9c2 細胞についても分化・増殖については、抑制されていることが観察された。ミトコンドリアはC2C12 細胞、H9c2 細胞において、分裂したミトコンドリアの増加を認めており、fission に傾いていることが確認された。(II) in vivo:正常マウスC57BL6(WT)を用いて、ドキソルビシン心筋障害モデルにおいては、投与4 週間後において左室拡大を認め、左室駆出力の低下を認めた。 心筋・骨格筋におけるドキソルビシンによる心筋障害において、ミトコンドリアの変化を観察し、ミトコンドリアの機能障害および質管理に関与するオートファジーの関与が示唆された。ドキソルビシンによる酸化ストレスの増加は、ミトコンドリア機能障害を惹起すると考えられた。酸化ストレスの抑制および心筋・骨格筋におけるミトコンドリア機能を保持することが、ドキソルビシンによる心筋・骨格筋を保護すると考えられることから、腫瘍患者の予後改善のために、さらなる機序の解明が必要と考えられる。
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