• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

臨床検査の異常反応の検出と精度保証の研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K07858
研究機関国際医療福祉大学

研究代表者

清宮 正徳  国際医療福祉大学, 成田保健医療学部, 教授 (20554265)

研究分担者 松下 一之  千葉大学, 医学部附属病院, 准教授 (90344994)
佐藤 正一  順天堂大学, 医療科学部, 教授 (90803255)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード異常反応 / AI / 主成分分析
研究実績の概要

本研究は、日常検査における臨床化学検査の精度を保証するために、生化学自動分析装置から出力されるデータに加え、反応中の吸光度の推移を観察することで突発的に発生する異常を検出することを試みている。
これまでアルブミンの異常反応に着目して検討していたが、今回は他の共同研究施設に協力を求め、これまで実施した分散異常、濁り異常、主成分分析に加え、新たなAI手法により解析を開始している。新たなAI手法では、これまでと同様の反応データをニューラルネットワークで解析すると共に、各波形の反応速度(吸光度変化の傾き)の微分データについて機械学習を行い、反応異常の検出を試みている。検査項目としてはクレアチニン、ビリルビン、AST 等の反応波形異常に着目して研究を進めている。またこれまでは第2試薬添加後の反応異常に着目していたが、第一反応領域の異常について解析できるように準備中である。現在のところ、異常免疫グロブリン症例における異常反応が検出されるなど、一定の効果が確認されている。現在さらに多数症例における解析を試みている。
検体希釈液に一定の色素を添加してその吸光度の異常から試料や試薬の分注異常を検出する試みでは、これまで8種類の水溶性色素について検討したが、長波長に吸収を持つ色素は蛋白質との相互作用による発色が生じる傾向が強く本目的への応用は困難であった。水溶性色素での検討に加え、脂溶性の色素での検討について準備中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究は、日常検査における臨床化学検査の精度を保証するために、異常反応や試薬の分注異常を効率的に検出することを試みている。
反応波形の各種吸光度の分散を計算する方法に加え機械学習法(AI)を用いて異常を検出する方法を実施した結果、これまでの方法では検出できなかった異常を検出することができたことから、本内容についての論文を投稿すべく準備を進めている。
コロナの影響もあり全体的に進行がやや遅れたこと、海外の学会などでの研究報告が困難であったことから、研究期間を延長した。

今後の研究の推進方策

反応波形異常の研究については、これまではアルブミンの異常反応に着目して検討していたが、クレアチニン、ビリルビン、AST等の反応波形異常に着目して研究を進めたい。
またこれまでは第2試薬添加後の反応異常に着目していたが、第一反応領域の異常について解析できるように準備中である。
検体希釈液に一定の色素を添加してその吸光度の異常から試料や試薬の分注異常を検出する試みでは、これまで実施した水溶性の色素に加え多くの色素(脂溶性色素含む)の検討を実施していきたい。

次年度使用額が生じた理由

本研究は、日常検査における臨床化学検査の精度を保証するために、異常反応や試薬の分注異常を効率的に検出することを試みている。
反応波形の各種吸光度の分散を計算する方法に加え機械学習法(AI)を用いて異常を検出する方法を実施した結果、これまでの方法では検出できなかった異常を検出することができたことから、本内容の論文投稿の作成中である。
コロナの影響もあり全体的に進行がやや遅れたこと、海外の学会などでの研究報告が困難であったことから、研究期間を延長した。
これらの状況に伴い次年度使用額が発生した。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 3件)

  • [雑誌論文] IgG4-IgE complex interferes with measurement of IgE concentration2023

    • 著者名/発表者名
      Nakano Keiichi、Sugita Junichi、Seimiya Masanori、Yasuda Keiko、Watanabe Chiaki、Goto Hideki、Teshima Takanori
    • 雑誌名

      Clinical Biochemistry

      巻: 112 ページ: 11~16

    • DOI

      10.1016/j.clinbiochem.2022.12.006

    • 査読あり
  • [雑誌論文] IgG4-IgE complex in patients with IgG4-related disease2022

    • 著者名/発表者名
      Nakano Keiichi、Sugita Junichi、Seimiya Masanori、Yasuda Keiko、Watanabe Chiaki、Teshima Takanori
    • 雑誌名

      Clinica Chimica Acta

      巻: 531 ページ: 261~264

    • DOI

      10.1016/j.cca.2022.04.013

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Frequencies of Anti-Troponin I vs Anti-Troponin T Autoantibodies and Degrees of Interference on Troponin Assays2022

    • 著者名/発表者名
      Nakano Keiichi、Sugawa Satoshi、Seimiya Masanori、Murakami Satoshi、Yasuda Keiko、Watanabe Chiaki、Goto Hideki、Teshima Takanori
    • 雑誌名

      Laboratory Medicine

      巻: 54 ページ: 317~323

    • DOI

      10.1093/labmed/lmac120

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Q&A 読者質問箱 乳び検体を測定する際の注意点や,濁度との関係について教えてください2022

    • 著者名/発表者名
      清宮 正徳
    • 雑誌名

      検査と技術

      巻: 50 ページ: 635-637

  • [学会発表] IgG4-IgE複合体の保有頻度とIgE、IgG4濃度の比較に関する研究2023

    • 著者名/発表者名
      中野 恵一, 安田 慶子, 清宮 正徳, 渡邊 千秋, 後藤 秀樹, 豊嶋 崇徳
    • 学会等名
      第33回生物試料分析科学会年次学術集会
  • [学会発表] 光がビリルビン測定値に与える影響2023

    • 著者名/発表者名
      清宮 正徳, 安達 愛香, 金子 葵, 北野 萌子, 平井 佑芽, 米根 鉄矢, 小林 崇平, 松下 一之
    • 学会等名
      第33回生物試料分析科学会年次学術集会
  • [学会発表] 乳びや蛋白質濃度が電解質測定値に与える影響2023

    • 著者名/発表者名
      清宮 正徳, 鈴木 友乃, 伝福 友加, 米根 鉄矢, 小林 崇平, 松下 一之
    • 学会等名
      第33回生物試料分析科学会年次学術集会
  • [学会発表] ピットフォール事例から臨床貢献へ 「ピットフォール相談窓口」活動実績2022

    • 著者名/発表者名
      清宮正徳
    • 学会等名
      日本臨床検査医学会第70回学術集会
    • 招待講演
  • [学会発表] 尿一般検査における精度管理 一般検査分野に関するワーキンググループの発足とシンポジウムのご案内2022

    • 著者名/発表者名
      清宮 正徳, 石山 雅大, 金沢 聖美, 神山 恵多, 菊池 春人, 下澤 達雄, 宿谷 賢一, 高山 知子, 堀田 真希, 横山 貴, 和田 隆志
    • 学会等名
      日本医療検査科学会第54回大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 濁検体の測定、どうしてますか? 溶血・混濁の発生機序と対策2022

    • 著者名/発表者名
      清宮 正徳
    • 学会等名
      日本医療検査科学会第54回大会
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi