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2021 年度 実施状況報告書

アルツハイマー病の医原性伝播の分子病態解明と予防法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K07863
研究機関金沢大学

研究代表者

濱口 毅  金沢大学, 医学系, 准教授 (70452109)

研究分担者 山田 正仁  金沢大学, 医学系, 協力研究員 (80191336) [辞退]
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードAlzheimer病 / アミロイドβ蛋白 / 個体間伝播 / 医療行為 / 防御法
研究実績の概要

本研究の目的は、医療行為によるAlzheimer病(AD)病理学的変化のヒトからヒトへの伝播を予防するために、合成Aβの試験管内線維形成実験やヒト脳ホモジネートの実験動物への接種等によりAβ病理の個体間伝播の特性を解明し、伝播の予防法を開発することを目的とする。
試験管内のアミロイドβ蛋白質(Aβ)凝集を抑制する方法として、Aβ1-40及びAβ1-42凝集体両方の凝集効果を不活化するには、135°C120分のオートクレーブが必要であり、オートクレーブが、Aβ病理の個体間伝播を予防する方法として有用である可能性があることを令和2年度に明らかにし、その内容を令和3年度に英文雑誌に報告した(Nakano H, Hamaguchi T, et al. J Neurochem 2022)。
また、脳実質や脳血管のAβ沈着の程度が異なるヒト剖検脳ホモジネートをADモデルマウス脳に接種したところ、Aβ沈着がほとんど無いヒト剖検脳ホモジネートが、他の脳実質や脳血管のAβ沈着を認めるヒト剖検脳ホモジネートと比較して有意に脳Aβ病理変化の伝播効率が高かった。さらに、その脳Aβ病理変化の伝播効率は脳ホモジネート内に含まれるAβオリゴマー/Aβモノマーの比に有意に正の相関を示した。このことは、脳にAβ病理変化をほとんど認めない症例も医療行為などで個体間伝播する可能性があり、その個体間伝播にはAβオリゴマーが重要な役割を果たしていることを示唆していると考えた。
ヒト剖検脳ホモジネートを試験管内で見出したAβ凝集効果を不活化するオートクレーブの条件で不活化を行い、不活化した脳ホモジネートをADモデルマウス脳に接種した。それらのマウスの病理変化について今後評価を行って行く予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

試験管内の実験、動物実験ともに結果が得られており、順調に進展していると考えている。

今後の研究の推進方策

ヒト剖検脳ホモジネートを試験管内で見出したAβ凝集効果を不活化するオートクレーブの条件で不活化を行い、不活化した脳ホモジネートをADモデルマウス脳に接種し、それらのマウスの病理変化について今後評価を行って行く予定である。

次年度使用額が生じた理由

研究自体は順調に進捗しているが、次年度より所属施設を異動するため、新たに研究をスタートさせるために僅かに残った今年度の研究費を次年度に使用する予定とした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Inactivation of seeding activity of amyloid β‐protein aggregates in vitro2022

    • 著者名/発表者名
      Nakano Hiroto、Hamaguchi Tsuyoshi、Ikeda Tokuhei、Watanabe‐Nakayama Takahiro、Ono Kenjiro、Yamada Masahito
    • 雑誌名

      Journal of Neurochemistry

      巻: 160 ページ: 499~516

    • DOI

      10.1111/jnc.15563

    • 査読あり

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公開日: 2022-12-28  

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