研究課題
パーキンソン病は主に中脳のドパミン神経が進行性に脱落する疾患であり、老化は最大の発症要因の1つである。近年ドパミン神経脱落の原因に、神経細胞維持等の機能に関わるアストロサイトやオリゴデンドロサイトといったグリア細胞の関与が指摘されている。本研究はiPS細胞から誘導したドパミン神経細胞とグリア細胞のひとつであるアストロサイトに老化促進化合物を用いて老化モデル細胞を作製し、さらにドパミン神経とアストロサイトを共培養することで、パーキンソン病の発症要因にグリア細胞の老化が如何に関わっているかを解明することを目的としている。これまでの成果として、iPS細胞からそれぞれ誘導したドパミン神経とアストロサイトの共培養条件を決定し、アストロサイト存在下でのドパミン神経活動などの変化をin vitroで検討し、神経活動活性化発化や神経細胞保護効果を確認することができた。さらに老化促進化合物使用条件下での培養により、それを用いないことと比べて、遺伝性パーキンソン病由来のドパミン神経細胞の異常が増強されることを見いだし、特にパーキンソン病原因タンパク質であるαシヌクレインが蓄積する遺伝性パーキンソン病由来ドパミン神経において早期からαシヌクレイン蓄積と神経細胞死を認めることが確認できた。このことから、老化促進化合物の作用機序がパーキンソン病病態に強く関わることを示しており、この経路への介入により発症予防や治療薬としてのターゲットとなる可能性を見いだすことができた。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (10件)
Stem Cell Research
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