研究課題/領域番号 |
20K07881
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
寳珠山 稔 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (30270482)
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研究分担者 |
Bagarinao E. 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 准教授 (00443218)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 脳磁場 / 慢性疼痛 / CRPS / MMN / 脳ネットワーク |
研究実績の概要 |
2022年度には慢性疼痛患者53名の脳磁場計測を終えており、解析を進めている。更に、これまで得られた脳磁場データから難治性慢性疼痛のひとつである複合性局所疼痛症候群(CRPS)の患者について大脳皮質電流密度を計算し、疼痛との関連性を明らかにした。成果は国際専門誌に掲載された。 脳磁場計測には、安静時脳磁場に加え、痛み認知プロセスに関わる大脳広範囲ネットワーク(large scale networks)の機能の一つであるミスマッチ陰性磁場を計測している。慢性疼痛患者での特徴的反応を検出しつつあり、本研究事業の中心事項となる「脳ネットワーク機能異常の検出と慢性疼痛評価法」に関して極めて興味深い結果を得つつある。新しい視点での慢性疼痛評価と脳機能の解明に近づきつつあり、順調に研究は進捗している。 更に、蓄積されたデータの解析を勧め、2023年度(最終年度)での成果報告に進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウィルス感染状況にあって、対象とする慢性疼痛を有する患者の測定が50例を越えたことは期待以上の進捗状況と言える。 解析も順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度および2022年度に蓄積された脳機能データの解析を多種の解析方法を組み合わせて実施する。データは幅広い解析に応用が可能であり、成果を国際学術雑誌に発表していく。 本研究で明らかになったミスマッチ陰性電位と慢性疼痛の関係については、病態の理解に新しい展開をもたらす重要な発見と考えており、成果の応用を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021-2022年度にも継続して脳磁場計測を行うことで、機器使用料等年度区切りによらない支出が続きます。また、2021年度までに蓄積した大量のデータを解析する電算機を2022年度早期に購入し精力的に解析と成果の創出を研究機期間内に行う。そのため、実質的な使用計画に遅滞は無く、研究計画も順調に進捗している。
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