研究課題/領域番号 |
20K07886
|
研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
浦上 克哉 鳥取大学, 医学部, 教授 (30213507)
|
研究分担者 |
河月 稔 鳥取大学, 医学部, 助教 (80736843)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 認知症予防 / 嗅覚検査 / アロマセラピー / 認知症検診 |
研究実績の概要 |
[目的」地域で実施可能な認知症やフレイルに関する高齢者向け検診の在り方について示唆を得ることを目的とした。 [対象と方法]対象者は鳥取県東伯郡琴浦町在住の65歳以上の男女86人である。認知機能、身体機能、嗅覚機能、栄養状態の評価を行い、検査への興味、主観的な機能評価、認知症やフレイルに対する偏見や予防への意識についてのアンケート調査を行った。認知機能の評価には物忘れ相談プログラム(MSP)(日本光電工業株式会社製)を用いて評価を行った。嗅覚機能はOpen Essence(OE)(富士フィルム 和光純薬株式会社製)を用いて評価を行った。身体機能を評価する検査として、体重減少・疲労感・身体活動に関するアンケート、握力、体組成、歩行速度、椅子立ち上がりテスト、バランステスト(閉脚立位、セミタンデム立位、タンデム立位)、Timed Up & Goテスト(TUG)を行った。 [結果とまとめ]身体機能検査、認知機能検査の順で対象者のニーズが高かった。また、認知機能に関しては、主観的な評価と客観的な評価との間に乖離を認めた。全対象者のうち、認知症に対する偏見がある者は47.6%、フレイルを正しく理解していた者は38.4%であった。高齢者向け検診の実施項目としては、身体機能と認知機能の評価を行う必要性が高いことが示唆された。加えて、偏見が無くなるように病気への意識の変化を促し、正しい知識の提供や認知度を高めるアプローチにより認知症やフレイルに関する検診の受診率が向上する可能性が考えられた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ感染が、やや収束したため研究を地域で行うことができた。
|
今後の研究の推進方策 |
認知機能や嗅覚機能の低下が疑われた者を対象としてアロマセラピーを実施して頂き1年間追跡調査を行う。アロマセラピーについては我々の既に行った研究において有効性を報告したアロマオイルのブレンド(昼用はローズマリー・カンファ―とレモン、夜用は真正ラベンダーとスイートオレンジ)を用いる。アロマセラピーの施行前後でTDASプログラム(認知機能評価スケール)を用いて認知機能を評価し、アロマセラピーがMCIの認知機能の悪化防止の効果を有するか否かを検討する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
今年度は研究を前に進めることができたが、やはり新型コロナウイルスの感染収束が得られていない中での実施であり、予定していたよりは参加者が少なかった。そのため使用した研究費が想定より少なくなり、次年度使用額が増えることになった。
|