研究課題
オプチニューリンをノックアウトしたモデル動物において、3ヶ月齢から前角細胞が継続的に減少し、さらにCHMP2B (charged multivesicular body protein 2B)陽性のオートファジー様空胞形成を認め、8ヶ月以降では細胞質にTDP-43(TAR DNA-binding protein of 43kDa)陽性凝集体が出現することを明らかにした。さらに坐骨神経では大径線維が減少、小径線維が増加し軸索変性をきたしていた。オプチニューリンノックアウトマウスは筋萎縮性側索硬化症 (ALS: amyotrophic lateral sclerosis)のモデルマウスとして使用可能であることを明らかにした。脱神経したマウス筋細胞においてオプチニューリンのタンパク質・mRNA発現が増加し、オプチニューリンをノックアダウンすると細胞分化が阻害された。これらはオプチニューリンは筋の分化に関与していることを示している。ALS患者骨格筋の検討で、患者では発症早期から骨格筋内にある筋内神経束にTDP-43が異常に蓄積することを見出した。まず病理解剖でALSと診断されている症例では全例でTDP-43の蓄積を認めた。次に筋生検症例では、ALS診断基準を満たさない時期においてもTDP-43は蓄積していた。一方非ALS症例では蓄積を認めなかった。ALS症例のオプチニューリン変異を導入したマウスにおいて、臨床的な評価ではWild typeと有意な差を認めなかった。オプチニューリンとALSの他の原因遺伝子であるTDP-43 遺伝子のダブル操作マウスの検討では、生存曲線・筋力・体重といった評価ではTDP-43の影響は認めたが相乗効果は認めなかった。ダブル操作マウスの筋肉を免疫染色で病理学的に検討すると、ALS原因遺伝子タンパク質が一部蓄積していることを見出した。
すべて 2023 2022 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 備考 (2件)
Clinical Neuroscience
巻: 41 ページ: 330-333
JAMA Neurology
巻: 79 ページ: 575~575
10.1001/jamaneurol.2022.0901
巻: 79 ページ: 693~693
10.1001/jamaneurol.2022.1113
Clinical Neurophysiology
巻: 142 ページ: 262~272
10.1016/j.clinph.2022.06.016
https://www.hiroshima-u.ac.jp/research/news/71002
https://www.sciencedaily.com/releases/2022/06/220621184506.htm