研究課題
2020年度までに、LC-ESI/MSを用いた培養液中のAch量測定系を確立し、各種培養細胞のうちヒト臍帯血由来幹細胞にBDNF添加にて分化誘導を行った細胞がHCNP添加によってAch分泌能を有することを明らかにした。上記細胞にHCNP添加群と非添加群を用いて、RNA sequencing法を用いて両群間の遺伝子発現を検討したところ、優位に発現が誘導された関連候補20因子を明らかにした。今回2021年度においては、HCNP受容体単離に向けて以下のことを行った①2020年度までに明らかにした20候補遺伝子のうち、文献的情報等を基にBMPR2およびErsrogen受容体を候補②妥当性を検討するために中隔核由来SN60細胞を入手し、両因子遺伝子欠損細胞を構築し現在抑制状況を確認中である。今後、HCNP添加によるChAT産生量および細胞外へのAch分泌量を確認する予定である。③BMPR2およびEstrogen受容体ノックアウトマウスを準備し、中隔核組織培養を用いてHCNP添加によるAch分泌が誘導されないことを確認する準備中である。
2: おおむね順調に進展している
これまでに、候補因子の絞り込みに成功した。候補遺伝子抑制細胞の構築もほぼ終了している。
中隔核由来細胞における目的遺伝子抑制細胞構築後に、HCNP添加によるChAT誘導抑制が確認されれば受容体であることが支持される予定である。残念ながら、確認できない場合のために行動学異常を呈したAPP KI×HCNP KOモデルマウスを用いたマイクロアレイを行っている。その結果から、候補因子を再度抽出する予定である。
遺伝子組み換え細胞に用いる細胞を供与されたために、2021年度までの当初予算より減額できた。現在行っている実験から期待された結果が得られない場合、もしくは更なる検証が必要になることが予測され、中隔核初代培養の準備とモデル動物を用いたマイクロアレイを準備中である。
すべて 2021
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 4件)
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