研究課題/領域番号 |
20K07902
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
人見 健文 京都大学, 医学研究科, 講師 (50402904)
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研究分担者 |
池田 昭夫 京都大学, 医学研究科, 特定教授 (90212761)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 高周波律動 / 不随意運動 / 皮質振戦 / ミオクローヌス |
研究実績の概要 |
本研究では、BAFMEにおいて、脳波・誘発電位の高周波帯域をターゲットとした波形解析を行い、皮質振戦・てんかんの発生機構を解明し、さらに臨床所見・遺伝子異常との関連も検討・解明し、遺伝子レベルから個体・症候レベルまでの病態解明・バイオマーカー確立を目的としている。 まず1年目として、当施設で加療中の ①BAFME 患者、②疾患コントロール群(他の皮質ミオクローヌスを来たす疾患群)の脳波・体性感覚誘発電位の計測を行った。その後、上記計測でえられたデータを、オフラインで高周波帯域の成分、特に高周波律動(HFO)に注目した解析、および時間周波数解析を行った。まだpreliminaryな結果ではあるが、脳波では、BAFMEのてんかん性放電の一部に共起する高周波律動(HFO)を認めた。さらに体性感覚誘発電位の検討では、ほとんどのBAFME患者において巨大体性感覚誘発電位に共起した高周波律動(HFO)を認めた。対照的に、他の皮質ミオクローヌス患者の巨大体性感覚誘発電位ではHFOをほとんど認めないという非常に興味深い知見がえられた(学会発表すみ)。 また一方で、BAFME・疾患コントロール群の診療情報のデータベース化も並行して開始・継続している。 2年目以降は、上記の高周波律動(HFO)を用いて、BAFMEに特徴的な不随意運動である皮質振戦の発生機構の解明を行っていく予定である。また各種臨床所見(治療による変化も含む)、遺伝子異常(リピート数)などの結果との融合的解析を行っていく予定である。 最終的には、HFOを用いた病態解明(HFOと症候・遺伝子異常との関係の解明)および バイオマーカーとしてHFOの確立(遺伝子診断の前段階でのスクリーニング・治療反応性の予測・治療の評価指標としてのHFOの有用性)を目指している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初のロードマップでは、倫理委員会承認後、1年目で(1)BAFME・疾患コントロール群・健常者での各種計測、(2)各群における高周波解析、(3)BAFME・疾患コントロール群における臨床情報のデータベース化の開始を予定していた。 (1)に関しては、BAFME・疾患コントロール群でかなりの数の各種計測を行うことが出来た。 (2)各群における高周波解析においても、予想よりも多くの人数で解析を行うことが出来た。またほとんどBAFME患者において巨大体性感覚誘発電位に共起した高周波律動(HFO)を認めた。対照的に、他の皮質ミオクローヌス患者の巨大体性感覚誘発電位ではHFOをほとんど認めなかった。この非常に興味深い知見に関して学会発表を行うことが出来た。 、(3)BAFME・疾患コントロール群における臨床情報のデータベース化を開始することが出来ており、順調にデータベース構築も進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
2年目以降は、上記でえられた高周波律動(HFO)を用いて、BAFMEに特徴的な不随意運動である皮質振戦の発生機構の解明解明を行っていく予定である。また各種臨床所見(治療による変化も含む)、遺伝子異常(リピート数)などの結果との融合的解析を行っていく予定である。 最終的には、HFOを用いた病態解明(HFOと症候・遺伝子異常との関係の解明)および バイオマーカーとしての確立(遺伝子診断の前段階でのスクリーニング・治療反応性の予測・治療の評価指標としてのHFOの有用性)を目指している。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍による学会のリモート開催により、旅費などの使用額が想定よりも減少したため、次年度使用額が生じたものと考えられる。 次年度は、コロナ禍による影響も踏まえたうえでの適正な研究費の使用計画を立てることとする。
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