研究課題/領域番号 |
20K07911
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
大貫 優子 東海大学, 医学部, 准教授 (20384927)
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研究分担者 |
椎名 隆 東海大学, 医学部, 教授 (00317744)
西野 一三 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 疾病研究第一部, 部長 (00332388)
鈴木 重明 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (50276242)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 免疫介在性壊死性ミオパチー / HLA / 炎症性筋疾患 |
研究実績の概要 |
炎症性筋疾患(筋炎)は多様な病型を含む疾患である。我々は炎症性筋疾患のうち免疫介在性壊死性ミオパチー (IMNM)のHLA解析を中心に行ってきた。サンプル数を、これまでの162検体から237例に増やしてHLA 6座解析を行っており、患者群に有意に多いリスクアレルを抽出している。また、詳細な臨床情報から、抗体毎、合併症、内服薬、重症度、臨床症状等により患者群を分け、有意なリスクアレルの有無をサブ解析した。本結果を、論文にまとめている。炎症性筋疾患の他の病型も幅広く解析している。封入体筋炎 (IBM) 83例のHLA-DRB1解析も行い、DRB1*01:01、DRB1*04:10、DRB1*15:02が日本人健常者に比し患者群で有意に多いこと、DRB1*08:03、DRB1*09:01が有意に少ないことを示し、論文にて報告した (PLoS ONE 15: e0237890, 2020)。皮膚筋炎 (DM) 163例のHLA-DRB1解析では、日本人健常者に比し患者群で有意に多いリスクアレルがあることを示し、学会報告した (日本人類遺伝学会第65回大会、2020年10月、ウェブ開催)。3病型を解析したことにより、それぞれ臨床像は類似するものの、異なる遺伝学的背景を持つことを示唆した。以上のように、IMNMの疾患関連解析において国内外に発信できる成果を上げているのみならず、炎症性筋疾患全体の病型再評価につながる成果もあげている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り免疫介在性壊死性ミオパチーのHLA解析を行っている。また、他の炎症性筋疾患の検体でも同様の解析を行い、免疫介在性壊死性ミオパチーとの遺伝学的背景の違いを明確にした。これらのことから、本研究課題はおおむね順調に進展している、と言える。
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今後の研究の推進方策 |
免疫介在性壊死性ミオパチーにおける真のHLAリスクアレルを明確にすべく、リスクアレルとそうでない近似アレルとのアミノ酸の差異がペプチド結合部にどのように影響するのか、疾患発症のトリガーとなり得るかをプログラム解析にて検証する。また、HLA以外の関連遺伝子解析、発現解析を進める。
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