研究課題/領域番号 |
20K07913
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
橋本 直樹 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (40615895)
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研究分担者 |
豊巻 敦人 北海道大学, 大学病院, 特任助教 (70515494)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 陰性症状 / 統合失調症 / 社会認知機能 |
研究実績の概要 |
新規陰性症状評価尺度(Breif Negative Symptom Scale;BNSS)と、陰性症状のの生物学的基盤を評価する行動課題(The Effort Based Decision Making 課題 と、The Reward Based Learning 課題)について実施手順を整理した。社会認知機能の評価については、我々が別な研究で作成に関わった日本語版の新規社会認知機能評価尺度を本研究でも用いることに決め、インターネット上で遂行可能な検査 を構築し、検査マニュアルを作成した。自己の信念を評価するためのDefeatist Performance Belief(DPB)、社会機能の評価評価尺度であるSpecific Level of Functioning Scale (SLOF)についても使用準備を整えた。また、脳構造、脳機能の評価のために、脳の体積を高解像度T1強調画像(T1)、白質線維構 造を拡散強調画像(Diffusion tensor imaging, DTI)、安静時の機能的結合を安静時機能画像(resting state funbtionl MRI; rsfMRI)を大学病院のMRI装置 で撮像するべく、新しいMRI装置でのプロトコールを当院放射線科および他施設の研究者と相談しながら作成した。以上の準備ののちに、令和3年11月よりリクルート、データ収集を開始した。現在まで、健常者12名、統合失調症患者40名のデータを取得している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
社会認知機能検査の検査環境構築と、MRIの新しい撮像プロトコールの作成に時間を要した。MRについては、装置入れ替えに伴い従来のプロトコールが使用不可となった。研究用MRIのプロトコール作成にあたっては、今後他の研究にも影響を及ぼすため、慎重に進める必要があった。また、研究準備が整った後も、札幌市が蔓延防止など重点処置の対象地域になり、特に健常者のリクルートに影響をおよぼした。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、リクルートに勤める。また、すでに患者群については、解析に十分な症例数が得られているため、中間解析として、早期に予定されている全ての解析を行い、結果を確認する。夏までにはリクルートを終え、直ちにデータの解析を行い、秋から冬にかけて、学会、論文での結果の発表を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
蔓延防止など重点措置の対象地域となっている間、健常被験者のリクルートをすすめることができず、謝金および時間外のMRI装置使用料が未使用となった。来年度、リクルートを進める中で、今年度と同様に、謝金と、MRI使用料として使用する計画である。
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