研究実績の概要 |
Effort Based Desicion Making課題について、統合失調症患者41名、健常者12名からのデータを比較検討したところ、高報酬高負荷課題の選択を従属変数とし、報酬額、報酬確率、診断と、それぞれの交互作用を固定効果、被験者をランダム効果とした混合効果モデルにおいて、報酬額(F(1,2053)=20.3,p<0.001)、報酬確率(F(3,2053)=125.6,p<0.001)の主効果および、報酬額と報酬確率の交互作用(F(3,2053)=5.5,p<0.001)を認めたものの、診断の主効果(F(1,51)=0.8, p=0.39)、診断と報酬の交互作用(F(1,2053)=0.1, p=0.794)、診断と報酬確率の交互作用(F(3、2053)=1.6, p=0.18)は認めなかった。今回の研究では臨床での使用を視野に入れて、報酬の支払いをは行わず、提示される獲得額の増加を目指すゲームのような形での実施となったことが影響したことが考えられた。 Reward Based Learning課題について、統合失調症患者27名、健常者14名からのデータを比較検討した。2つペアの記号について、どちらがより成功確率が高いかを判断する課題で、もっとも優しい課題(学習段階で使用したが、成功確率90%と10%のペア)の正解率が統合失調症患者で有意に低かった。また、最も難しいペア(学習段階での成功確率30%と10%のペア)の組みあわせの正答率は、統合失調症患者でのPositive and Negative Syndrome Scaleの解体症状、Specific Levels of Functioningの社会機能と有意に相関した。 脳MRIについて統合失調症患者41名からMRI画像(3DT1, DTI, fMRI)を取得し、現在画像解析中である。
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