研究課題/領域番号 |
20K07917
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
岡田 俊 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 知的・発達障害研究部, 部長 (80335249)
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研究分担者 |
森川 真子 名古屋大学, 医学系研究科, 特任助教 (60783305) [辞退]
小川 しおり 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (60814150)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / 注意欠如・多動症 / 二次障害 / 表情認知 / 視線方向 / 実行機能 / 報酬系 / 時間知覚 |
研究実績の概要 |
本研究課題初年度である本年度は、国内外の研究状況を精査した上で、二次障害との関連を調べる溜めに適切と考えられるテストバッテリーを作成し、倫理委員会の承認を得た。この過程では、研究代表者の異動により、実験心理学、神経生理学を専門とする研究分担者を新たに追加した。また、研究参加者の募集は、広告も併用することとした。倫理委員会承認事項に則り、データ取得を開始している。COVID-19の感染拡大により、年度中盤までのデータ取得は滞ったが、年度後半より順調なサンプリングが継続できており、すでに46名に達し、すでに待機リストもある状況であることから、当初の予定通りの進捗が得られている。本研究では、情動的表情認知、視線方向手がかり課題、実行機能課題、報酬系機能、時間知覚課題を採用しており、いずれも先行研究において自閉スペクトラム症や注意欠如・多動症との関連が示されている課題を中心としている。さらに、信頼性と妥当性が確認された手法で、知的機能、適応機能、不安、抑うつ等を測定している。本研究課題の目標である二次障害と関連する神経心理学的機能のプロファイルを確認するためには、多数の研究参加が必要になることから、その点についてはまだ検討ができていないが、定型発達者を対象にした検討により、これらの呈示刺激が適切に認知されており、本研究の遂行に適切な課題であることが確認できている。次年度にも継続して研究参加者の数を増していく予定であるが、現在の参加者が比較的高年齢層に偏っていることから、小児期からの変化をみる目的からも、年齢層が幅広く展開できるように、研究参加者の募集方法について検討を加える予定である。なお、時間知覚課題に関する検討では、研究分担者を筆頭として、日本ADHD学会学術総会において優秀発表賞を受賞することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
テストバッテリーを確立し、倫理委員会での審査を経て、データ取得を適切に実施できている。また、対照群である定型発達者において、テストバッテリーの適切性を確認している。年度の中盤までは、COVID-19感染拡大の影響を強く受けて進捗が停滞したが、年度終盤で予定を上回る進捗があり、全体として概ね順調な進展と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
対照群に比べて、神経発達症群の進捗が遅く、特に低年齢群のデータが必要になることから、国立精神・神経医療研究センター病院、ならびに、ナショナルセンター間の連携を開始した。これにより、標記の問題が解決するものと見込んでいる。次年度においても研究参加者を引き続き組み入れていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた情報収集のための会議が、COVID-19感染拡大のためにオンラインになり、旅費の余剰が生じた。
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