研究課題/領域番号 |
20K07922
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
川勝 忍 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (00211178)
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研究分担者 |
林 博史 福島県立医科大学, 保健科学部, 教授 (00333956)
國井 泰人 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (00511651)
小林 良太 山形大学, 医学部, 講師 (80643189)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 辺縁系優位型加齢性TDP-43脳症 / TDP-43 / 海馬硬化 / MRI / 嗜銀顆粒性認知症 / 神経病理 / アポリポ蛋白E |
研究成果の概要 |
辺縁系優位型加齢性TDP-43脳症(LATE)の臨床診断の試みとして、MRI、FLAIR画像での海馬領域の高信号、海馬硬化を指標として頻度や背景因子を検討した。もの忘れ外来連続例で海馬硬化は41%にみられ、米国地域住民コホート剖検研究のLATE病理の頻度に近かった。海馬硬化有り群の特徴は、長い罹病期間、MMSE低値、精神症状が強い、強い側頭葉内側部萎縮、アポリポ蛋白E多型のε4が高頻で、臨床診断は嗜銀顆粒性認知症が多かった。剖検例の検討ではLATE病理の5例中4例に嗜銀顆粒病理も認められた。LATEは嗜銀顆粒性認知症と併存および共通する病態で臨床診断もできるが示唆された。
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自由記述の分野 |
精神神経科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
TDP-43は、アミロイド、タウ、αシヌクレインと並んで認知症の原因となる異常蓄積タンパクであり前頭側頭型認知症や筋萎縮性側索硬化症と関係している。最近、病理コホート研究や認知症の病理学的検討からTDP-43加齢性にも蓄積するとされLATEの名称が提唱されたが、その臨床的意義については不明な点が多い。また、臨床的にLATEを診断する方法はなく病理学的な概念だが、本研究ではMRIでの海馬硬化の所見を指標としてLATEが臨床的に診断できる可能性を示した。アルツハイマー型認知症は海馬萎縮が特徴とされるが実は明らかな海馬萎縮例はLATEが関与しており、疾患修飾薬の適応や効果を考える上でも重要である。
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