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2020 年度 実施状況報告書

臨床で実施可能な自閉スペクトラム症の診断評価のための半構造化面接法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K07929
研究機関大正大学

研究代表者

内山 登紀夫  大正大学, 心理社会学部, 教授 (00316910)

研究分担者 宇野 洋太  大正大学, カウンセリング研究所, 研究員 (40539681)
稲田 尚子  帝京大学, 文学部, 講師 (60466216)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード自閉スペクトラム症 / 神経発達症 / 診断 / 面接 / 評価
研究実績の概要

本研究では、国際的にコンセンサスが得られ、かつ臨床場での使用が現実的である自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder; ASD)の診断ツールを整備し、今後の精神科臨床および研究に役立てることである。具体的な方法は、ASDの診断のための国際的ゴールドスタンダードなツールであるDiagnostic Interview for Social and Communication disorders (DISCO)の短縮版の整備を行い、本邦で使用可能な状況にする。そのための研究の進め方は次の通りである。
ASD児者及び対照群に対して、半構造化面接および行動観察を行い、それらの結果を総合して検討し、診断・評価とする。具体的には、ASD群および対照群の合計60名の被験者に対して、2名の児童精神科医師と1名の心理士が1チームとなって情報収集を行う。1名の医師が被験者の保護者に対して、診断のための半構造化面接法であるDISCOのフルバージョンに基づいてインタビューし、DISCOに基づいたASDの診断を行う。もう1名の児童精神科医師もそのインタビューを聞き、DSM-5に基づき診断を行う。インタビューの間、心理士が被験者に対してWechsler等の知能検査を実施する。すべてのスタッフには診断に関する事前の情報は伏せ、全てが終了するまでスタッフ間での協議はしないこととする。これらによって① DISCOフルバージョンより短縮版を作成し、その妥当性を検討し、② DISCO短縮版のうちDSM-5での診断と強く関連する項目を選定し、DISCO短縮版でDSM診断を行うためのアルゴリズムを作成する。
コンセンサスの得られたASDの診断のためのツールで、かつ本邦の臨床場面に即したものが整備されることは今後のASD児者の臨床、また研究を考える上でも重要と考える

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究開始前、2020年度には試行的に20例程度のデータを取得することを予定した。開始早々の時期から新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、面接時における感染対策の検討・実施を余儀なくされ、対面からオンラインによる面接に切り替える、感染症の状況をみながらアクリル板を用いての検査の実施等への変更を行った。最終的には当初予定していた程度の症例からデータを取得することができた。

今後の研究の推進方策

2020年度はおおむね順調に研究計画に沿って研究を実施することができた。2021年度も感染症拡大の問題は継続しているため、今後さらに感染症が拡大した場合も想定し、より対面での検査等を減らしデータを取得する方法を検討する必要がある。Wechsler知能検査は信頼性の高い検査ではあるが、対面での検査が必須となる。したがってより検査時間を減らすためにWechslerの簡易版を用いることも想定している。またこれまでに同検査を受検したことがあるものに対しては、既存のデータの提供を依頼し、活用する可能性もある。また既存のデータのないものに関しては、Wechsler以外の、質問紙で実施可能な知能検査に切り替えることも想定している。他はいずれも郵送およびオンラインでのやり取り・実施を計画している。

次年度使用額が生じた理由

当初直接対面にて予定していた調査や研究班会議等について、新型コロナ感染症の拡大によりWeb等オンラインでの実施に変更となったため、旅費や会議費が減少した。今年度も状況をみながら引き続き検証を継続する。

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公開日: 2021-12-27  

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