研究課題/領域番号 |
20K07944
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
植野 司 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (70868273)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 月経前不快気分障害 / 脳MRIデータ / 機能的MRIデータ / PMS |
研究実績の概要 |
本研究では、一般群で低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬などのホルモン療法薬をまだ開始していない症例を対象に、月経の前後でのむくみや眠気、食欲の亢進・低下などの身体症状の程度や気持ちの落ち込み、集中力の低下やイライラなどの精神症状に関する質問紙を用いて、月経の前後にこれらの症状がどの程度変化するのかを評価することを目的としている。月経前の黄体期から卵胞期にかけて、女性の一部には仕事のパフォーマンスに支障をきたしていることが知られているが、実際に脳機能としてどのような変化が生じているのかについては、まだ報告は多くない。本研究ではそのかかわりを明らかにし、月経によって実際の脳機能も変化する可能性があることを明らかにすることを目的としている。 月経の症状に関するアンケートや心理検査指標も含めて縦断解析が可能になった症例は54例となった。 解析補法については、現時点では月経の傾向に関して横断での月経前、月経後の注意機能に関する腹側/背側注意ネットワークを比較しているが、単純な差として結果を得ることは難しく、現在、縦断解析によって個人の月経時の症状の程度を評価するMDQおよびPSSTを用いて、スケールによって示される眠気や集中力の低下、抑うつといった項目に関する指標と、ネットワークの関連を示したいと考えている。2023年は解析を試みなが結果が定まらず、手法およびデータの見直しを試みているため、研究の進捗としては遅れが生じている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
最終的に、月経に関するアンケートや心理検査指標も含めて縦断解析が可能になった症例は54例となった。 解析補法については、現時点では月経の傾向に関して横断での月経前、月経後の注意機能に関する腹側/背側注意ネットワークを比較しているが、単純な差として結果を得ることは難しく、現在、縦断解析によって個人の月経時の症状の程度を評価するMDQおよびPSSTを用いて、スケールによって示される眠気や集中力の低下、抑うつといった項目に関する指標と、ネットワークの関連を示したいと考えている。今回は一般群を対象としており、症状の程度は治療を要しない程度の月経前症候群/月経前深い気分障害の研究協力者に限定しているため、指標やネットワークを組み合わせて検討する必要があり停滞している。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度には安静時の機能的MRI画像データ解析において、ネットワーク解析にてデフォルトモードネットワーク、背側および腹側注 意ネットワーク、salienceネットワークといった月経前不快気分障害の精神症状に関連する機能的な変化と、それをスクリーニングするのに 有効となることが期待される高い関連を示すアンケートでのQOLおよび月経前症候群におけるアンケートの回答項目を探っており、結果を絞り込み報告の準備を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
今回解析による結果がまだ確定できておらず、報告の場に移行することができなかったため、データ保存に関するハードディスクの他に経費を活用することができなかったため、次年度でそれらを利用すべく次年度使用とした。
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