研究課題
基盤研究(C)
レクチンを用いて、健常者およびうつ病患者の血漿タンパク質のプルダウンアッセイを行い、サンプルを電気泳動後に銀染色を行ったところ、4本のバンドが健常者と比較してうつ病患者で変化していることを発見した。これらのバンドを切り出し、質量分析を行ったところ、2つの糖タンパク質が有力な候補として同定された。このうち、1つのタンパク質については、ウェスタンブロットでもうつ病患者における変化が確認できた。
精神科
うつ病の診断は、ICD10やDSM-5のような症状の組み合わせから判断する操作的診断法しかない。そのため、客観的で簡便なバイオマーカーの発見が切に望まれている。うつ病診断のための血漿バイオマーカーが同定されることで、プライマリーケア等でうつ病診断が容易かつ客観的に行えるようになる。血液検査でうつ病診断や他の精神疾患が鑑別できるようになれば、薬剤選択が容易となり、治療期間短縮が見込まれる。