研究課題/領域番号 |
20K07950
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
須田 史朗 自治医科大学, 医学部, 教授 (40432207)
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研究分担者 |
岡田 剛史 自治医科大学, 医学部, 助教 (20742844)
塩田 勝利 自治医科大学, 医学部, 教授 (40398516)
安田 学 自治医科大学, 医学部, 講師 (40468343)
西依 康 自治医科大学, 医学部, 助教 (40749529)
加藤 梨佳 自治医科大学, 医学部, 助教 (50759941)
小林 聡幸 自治医科大学, 医学部, 教授 (70296101)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | deep learning解析 / 絵画療法 / 芸術療法 / 統合失調症 / うつ病 / 双極性障害 |
研究実績の概要 |
絵画には、その作者の性格傾向や心理状態が反映されると考えられており、病跡学では統合失調症、双極性障害などに罹患した患者の描く絵にはその疾患に関連した特徴があることが示唆されている。また経験を積んだ精神科医師に共通する感覚として、患者が描いた絵画の「疾患らしさ」があるが、その解釈には一定の 見解が得られていない。本研究では精神疾患を有する患者が描いた絵画を人工知能によるdeep learningを用いて解析し、疾患特異的な要素を検出する。本研究により疾患特異的な要素を検出することで、精神科診断に有用な新規アルゴリズムや補助ツールの開発が可能となることが期待される。 研究代表者の所属する自治医科大学精神医学講座では、病棟が開設された1977年以来現在に至るまで、入院患者を対象とした絵画療法を継続しており、レクリエーションや病態把握に役立ててきた。過去40数年に描かれた作品はすべて講座内の資料室に保管されており、絵画総数は2万点約である。作成者は統合失調症 患者、うつ病患者、双極性障害患者を中心に約2000名、健常者約500名である。これまでに、絵画作品2万点のスキャン作業を終え、データを電子化した。現在、それぞれの作品と臨床情報(作成日、性別、患者生年月日、診断、入院時の症状や臨床経過)の紐付け作業が進行中である。今後はデータに対してdeep learningを用いた解析を行い、臨床情報との関連を網羅的に検索、疾患特異的な要素を検出する。疾患群と対照群の描画パターンを比較することにより、精神疾患(統合失調症、双極性障害、うつ病、摂食障害、神経症、発達障害)に関連する絵画の特徴(描かれている要素とその数・配置、色調、線の強弱、余白)を抽出する。最終的には絵画画像解析による精神科診断補助システムの開発を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度はCOVID-19の蔓延により研究活動が制限され、講座でのデータ入力従事者のアルバイト雇用、データマイニング担当のシステムエンジニアの雇用が出来なかった。特にデータ入力従業者は守秘義務を追うこと、精神医学の素養が必要であるため、幅広いリクルートができず、人員の確保に苦慮している。そのため、データベース構築に遅滞が生じた。
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今後の研究の推進方策 |
絵画作品2万点のスキャン作業は終了しており、今後それぞれの作品と臨床情報(作成日、性別、患者生年月日、診断、入院時の症状や臨床経過)の紐付け作業を進める。ある程度のデータ蓄積が出来た時点で、先行してパイロットデータのdeep learning解析を行い、特許を申請する。続いて疾患ごとにdeep learning解析を施行、疾患特異的な要素、重症度を反映する要素を抽出し、絵画画像解析による精神科診断補助システムの開発を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID19の蔓延により研究活動が制限され、講座でのアルバイト雇用、システムエンジニアの雇用が出来ず謝金の支払いができなかったこと、これらの活動制限によりデータの解析が遅れ、必要な機器の整備が進まなかったことから次年度使用額が生じている。
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