研究課題/領域番号 |
20K07954
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
中村 元昭 昭和大学, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (50464532)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 発達障害 / 反復経頭蓋磁気刺激 / 自閉スペクトラム症 / 注意欠如多動症 / MRI / 腹側注意回路 / 側頭頭頂接合部 |
研究成果の概要 |
ASD(自閉スペクトラム症)当事者の側頭頭頂接合部(TPJ)に対して、fMRI(Posner課題)から抽出された刺激座標に反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)を実施して、注意の切り替え課題の変化を観察した。rTMS介入は右TPJに対してiTBS(間歇性シータバースト刺激)、cTBS(連続性TBS)およびシャムTBSを用いた。促通性のiTBSでは課題成績が改善し、抑制性のcTBSでは課題成績が低下した。ADHD(注意欠如多動症)当事者のfMRI(Posner課題)では、rTMS介入ではなく、薬物療法による影響を観察した。メチルフェニデートの内服によって、TPJを中心とした腹側注意回路の賦活が増強した。
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自由記述の分野 |
神経科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
注意の切り替えが苦手なASD当事者に対して、腹側注意回路の側頭頭頂接合部を刺激点としたrTMSによって注意機能を改善させる可能性を示唆する結果を得ることができた。また、ADHD当事者に関しては、薬物療法によって腹側注意回路の活動が増強することが示唆され、rTMSの刺激プロトコール開発の神経科学的根拠を得ることができた。 ただし、発達障害の当事者に対して安易にrTMSを治療的に使用することは慎むべきである。現時点では、発達障害に対するrTMSのエビデンスは十分ではなく、今後更なる神経科学的研究や臨床試験の蓄積が必要であることを強調したい。
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