研究課題/領域番号 |
20K07955
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
志村 哲祥 東京医科大学, 医学部, 兼任講師 (20617617)
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研究分担者 |
井上 猛 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (70250438)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 睡眠 / プレゼンティズム / アブセンティズム / ストレスマネジメント / 精神 / レジリエンス / 介入研究 |
研究実績の概要 |
新型コロナウィルス感染症の流行のため介入試験やその準備を行えていないものの、既存データの分析を実施し、睡眠や体内リズムとプレゼンティズムと職業性ストレスの関係、日本において睡眠の問題がもたらしている生産性損失の推計を行った研究等について、論文等で学術的発表を行った。当該年度の研究で明らかになったことは以下の通りである。 ・睡眠に関連する生活習慣(睡眠衛生)は従来知られているもの以上に多岐にわたり、既知の夜間の光曝露や寝酒のみならず、食事の不規則さや野菜の摂取不足なども影響する(Sleep Health. 2020.6) ・睡眠の問題によって生じている生産性の損失は日本全体で約3%に及び、これは金額換算で7兆円超に相当する(Sleep Health. 2020.6) ・職業性ストレスは大部分が心身の不調と睡眠の問題を介してプレゼンティズムを引き起こす(Neuropsychiatr Dis Treat. 2020.7) ・クロノタイプ(体内時計のタイプ)は睡眠の問題を介して心身の不調を引き起こしており、睡眠の問題の改善が夜型の者における不調の改善に重要である(Neuropsychiatr Dis Treat. 2020.8) ・不規則な食事時間は心身の不調と睡眠の問題を介してプレゼンティズムを引き起こす(Neuropsychiatr Dis Treat. 2021.2)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
就労者を対象とした対面でのRCT(介入試験)を予定していたものの、新型コロナウィルス感染症の流行によって、内諾を得ていた協力先組織等から実施そのものの無期限延期や打ち合わせ中止がなされたため、研究を進捗させることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
対面での介入を断念し、効果の減弱が考えられるものの、リモート面談での介入実施などを行うか、あるいは、ワクチン接種が行われた者のみに限定して研究を遂行するか等を検討しており、RCTを引き続き計画していく。 研究実施上の課題としては新型コロナウィルス感染症の拡大によって研究課題の遂行自体が不能になるリスクが引き続き存在することである。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症の蔓延のため、協力先との打ち合わせや実地での介入試験を全く実施できず、旅費及び謝金の支払いがなされなかった。一方、リモートでの折衝や作業等に供するために物品費の支出が発生した。次年度においては研究計画の再考と新型コロナウィルス感染症の動向を検討した上で、介入研究の実施方法(実地あるいはリモート)に応じた予算執行を図る。
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