研究課題/領域番号 |
20K07963
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
竹内 崇 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (70345289)
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研究分担者 |
宮島 美穂 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (70616177)
市倉 加奈子 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (00769044)
松島 英介 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 非常勤講師 (50242186)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 質的研究 / 疾病概念 / 精神腫瘍学 |
研究実績の概要 |
(1)小学校道徳教科書におけるがんの心理社会的側面に関する描写と、死に関する描写についての分析結果について、ポスター発表を行った。がんを扱った単元では、当事者の心理社会的側面の描写や、闘病におけるスピリチュアリティのポジティブな面に関する描写が含まれていること、死についての単元には死そのものおよび死にゆく過程についてスピリチュアリティのポジティブな面の描写が含まれている一方で、死の主体の苦痛などはあまり詳細に描かれていないことを明らかにした。道徳教科書の内容を精神腫瘍学的視点で分析した試みは例がなく、精神医学分野の国際学会で高く評価され、それぞれ優秀ポスター賞、若手ポスター賞を受賞した。 (2)分析対象の教科書を、小学校、中学校の全教科に拡大して実施した。また新たに、計量テキスト分析の手法を導入した。本手法は、多変量解析によって、テキスト内で同時に出現することが多い単語のグループや、同じ言葉を含むテキストのグループを明らかにし、その結果を図表化できることが特徴である。これにより、解析対象テキストに含まれる概念を客観的に探索し、可視化することができる。今年度は主に解析のためのデータ入力と、解析の着眼点となる要素項目の検討を重ねた。疾病や死に際しての主体や、周囲の登場人物の心理的変化に着目して項目を設定する方針で項目を選定中である。来年度は決定した要素項目に沿って解析を実施し、解析結果からテキストに含まれる疾病概念や死に関するイメージを同定する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19感染拡大のために対面での打ち合わせや情報共有が困難となり、これらの活動を従来のようには円滑に進めることができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は教科書の質的研究を引き続き実施する。特に計量テキスト分析の手法を用いた解析結果の可視化、客観化を重視し、その分野において経験・実績が豊富な共同研究者を追加して解析を進めていく。今後の社会動向に応じて教科書以外の媒体も質的研究の対象として追加することを検討する。文献研究の完了後に、その知見に基づいて、精神腫瘍学的視点を取り入れた家庭用のがん教材を作成し、その効果の検証を試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画の再検討および修正を行ったため、本年度の分析対象書籍の購入は一部にとどまり、また成果発表は延期した。次年度には繰り越し分の予算を使用して新規の解析手法に必要なソフトウェア購入や研究支援員の雇用を行い、解析を加速する。
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