高齢化を背景とした認知症患者の増加がみられ、認知症の治療法確立は急務である。認知症の大多数を占めるアルツハイマー病や前頭側頭葉変性症では、臨床症状がタウタンパク質の異常蓄積や神経細胞死とともに出現してくることが知られており、タウタンパク質は治療介入のために重要なターゲットである。タウタンパク質はスプライシング様式によって3リピートタウと4リピートタウに分類される。4リピートタウはβシート化を促進し、神経毒性が高いタウオリゴマーの形成を促進する。認知症患者神経細胞におけるタウの発現量やスプライシングの制御を行い、タウオリゴマーの減少と神経細胞死抑制を可能にする認知症治療候補薬の同定を行った。
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