研究課題/領域番号 |
20K07977
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
松岡 孝裕 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (90255092)
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研究分担者 |
松尾 幸治 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (00292912)
下出 崇輝 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (20870314) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | attention / self-reflection / working memory / event-related changes / alpha-band / EEG / synchronization / desynchronization |
研究実績の概要 |
本研究は注意の方向性に関連した脳機能の違いを、脳波α帯域パワー値の事象関連変動を用いて明らかにすることを目的としている。外的注意を高める課題にはワーキングメモリー課題、内的注意を高める課題には自己参照課題を用いて実験系を構築し、同実験系の確立を目指し健常群について本実験や解析を行った。その結果、脳波事象関連α帯域パワー値は、両課題間で注意の向きが逆になる時間帯に、ワーキングメモリー課題では減衰するのに対し自己参照課題では増大しておりその差は統計学的に有意であった。 2020年度はこの結果を英文論文として発表した1)。2021年度は、本実験系を用いて健常者のみならず注意欠如・多動症(Attention deficit hyperactive disorder: ADHD)についても注意障害の質的検討を行うべく研究計画を立案するとともに器材についても準備を進め、2021年12月には埼玉医科大学病院のIRB において研究の承認が得られた。2022年度は健常者およびADHD患者をリクルートしていき、脳波実験を進めていく予定である。
1) Matsuoka T, Shimode T, Ota T, Matsuo K. Event-Related Alpha-Band Power Changes During Self-reflection and Working Memory Tasks in Healthy Individuals. Front Hum Neurosci. 2021 Jan 25;14:570279. doi: 10.3389/fnhum.2020.570279. PMID:33568977; PMCID: PMC7868427.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
健常群(16名)について実験や解析を行い、ワーキングメモリー課題と自己参照課題とで注意の向きが逆になる時間帯において、事象関連α帯域パワー値が有意に乖離する現象を確認し実験系を確立することができた。この結果は英文論文として2021年1月25日にFront Hum Neurosci.誌に掲載された。 2021年度は健常者のみならず注意欠如・多動症(Attention deficit hyperactive disorder: ADHD)についても注意障害の質的検討を行うべく研究計画を立案するとともに器材等についても準備を進め、2021年12月には埼玉医科大学病院のIRB において研究の承認が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は研究分担者とともに健常者およびADHD患者のリクルートをすすめ、必要情報の聴取や症状評定・検査等を行うとともに、健常群で確立した実験系を用いて脳波実験を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度、COVID-19蔓延に伴い、学会や研究会等の出張が困難となり旅費の支出がなかったため次年度使用額が生じた。2021年度もCOVID-19蔓延が続いたことに加え、研究計画の立案や器材等の準備に注力したため、学会や研究会等の出張機会がなく旅費の支出がなかったため次年度使用額が生じた。2022年度は脳波実験も始まり、また学会や研究会等の出張も可能となる見込みがあるため、謝金や消耗品、旅費等としての支出が見込まれている。
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