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2022 年度 研究成果報告書

うつ病の認知機能障害に対する治療法の解明:δオピオイド受容体を介した改善機序

研究課題

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研究課題/領域番号 20K07978
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分52030:精神神経科学関連
研究機関北里大学

研究代表者

岩井 孝志  北里大学, 薬学部, 講師 (90339135)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードうつ病 / オピオイド / 認知機能 / GABA / 海馬 / ストレス
研究成果の概要

本研究では、抗うつ薬が効果を示さない治療抵抗性慢性ストレスモデルマウス(ACMSマウス)に対するδオピオイド受容体逆作動薬SYK-623の効果について検討した。ACMSマウスにおける学習記憶障害や抑うつ様行動の誘発をSYK-623は阻害した。学習記憶やストレス応答の調節に重要な海馬において、ACMSマウスでは正常なマウスと比べてGABA神経細胞数、GABA合成酵素(GAD)発現量、GAD陽性神経線維密度が減少しており、GABA神経障害が誘導されていた。SYK-623はストレスによって誘導されるGABA神経障害を抑制し、GABA神経に対してストレスから保護する効果があることが明らかになった。

自由記述の分野

精神薬理学

研究成果の学術的意義や社会的意義

うつ病患者の認知機能の低下は、気分の症状と比べて治療効果が見られにくく、治療期間の長期化、再発の要因となる。本研究ではδオピオイド受容体を介して、ストレスによるGABA神経障害を抑制することが、認知機能の改善に寄与する可能性を示唆した。この事により、従来の抗うつ薬とは異なるアプローチによりうつ病患者の脳機能を改善させる治療の開発につながることが期待される。さらに、認知機能と同様に、うつ病患者の寛解後にも残存する睡眠障害に対しても有効性を示唆する結果が得られ、本研究の成果が、うつ病治療のさまざまな側面に波及すると考えられる。

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公開日: 2024-01-30  

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