研究課題
本研究は,核磁気共鳴画像法(MRI)から算出できる緩和時間,磁化率,拡散係数,磁化移動の定量パラメータに着目した統合的ミエリンイメージング手法を開発し,脱髄疾患に対してミエリン含有量の定量解析を行うことである.令和4年度は,健常者データのmyelin water fraction(MWF),diffusion kurtosis imaging(DKI),quantitative susceptibility mapping(QSM),quantitative parameter mapping(QPM)のvoxel based morphometry(VBM)解析を用いて定量値を標準脳データとして作成した.各パラメータを比較しながら検討を進めた.QSMの場合,QSM再構成の際の脳表部分が大きく削られてしまうため,標準脳データを作成する際に座標の誤差が大きいことが分かった.脳表補正のアルゴリズムを適応して対応する予定である.さらに,DKIでは,一般的に神経走行の指標で用いられているWM 領域の分数異方性 (FA) と尖度パラメーター (MK、RK、および AK) の関係には、強い正の相関 (FA-MK,R2 = 0.93; FA-RK,R2 = 0.89), 負の相関 (FA-AK,R2 = 0.92)を示した.このことより,DKIではMKのパラメータを使用することに決定した.加えて,QPMのミエリンマップとMWFの関係は,二次多項式に精度良くフィッティング可能で,その算出式により,被験者の標準脳を用いて,白質領域のMWFアトラスを作成することができた.こうして,畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を用いた統合的定量ミエリンマップに関するデータベースの構築およびプログラム開発を行った.現状,入力するMRIのパラメータは,MWF,FA,DKI(MK),QPMミエリンマップで検討することに着手することができた.出力は,MWFに変換することが可能になった.各白質領域に関心領域を設定し検討すると,各領域で神経密度に比例して高値になった.
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 5件)
European Journal of Radiology
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