研究課題/領域番号 |
20K08003
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
長澤 慎介 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80835025)
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研究分担者 |
高橋 淳子 早稲田大学, 理工学術院(情報生産システム研究科・センター), 教授(任期付) (80415702)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 放射線防護 / 放射線増感 |
研究実績の概要 |
マウス正常血管に対する5-ALA併用のX線照射およびX線照射単独の反応を評価した。従来報告されている通り、X線照射そのものは血管内皮障害を引き起こす。ところが5-ALA併用の場合はわずかではあるがX線によって生じた血管障害が、X線単独の場合と比較して軽微になることが確認できた。 methodとして、Balb/cのマウスに対し、X線照射は60Gy/30fr、5-ALAは120および240mg/kgを用いた。評価項目は頭皮と脳の血管の病理学的な変化、および血液検査データである。 これまでの報告から5-ALA併用のX線照射は腫瘍細胞に対して増感効果を持つことが確認されている。この腫瘍細胞に対する放射線増感効果と、今回得られた結果である5-ALAの正常血管に対する放射線防護効果を併せて考えると、5-ALAは腫瘍に対しては増感作用を有し、正常組織に対しては防護効果を有すると言える。放射線治療の究極の目的は、腫瘍に対し抗腫瘍効果を十分に与え、正常組織に対しては放射線の影響を出来るだけ少なくすることである。そのため、5-ALA併用の放射線治療は究極の放射線治療へ寄与するものとなるだろう。 limitationとしては今回の実験ではN数が少ないため、結果としては確定的なことが言えないことである。N数を増やして同様の実験を行うことが必要だが、そのための研究資金が不足しているため引き続き研究資金の獲得を目指す方針としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目標であった、5-ALAが正常組織に対する放射線防護能を有するということをある程度示すことが出来たため
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今後の研究の推進方策 |
今回の結果のlimitationとしては今回の実験ではN数が少ないため、結果としては確定的なことが言えないことである。N数を増やして同様の実験を行うことが必要だが、そのための研究資金が不足しているため引き続き研究資金の獲得を目指す方針としている。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍であったことに加え臨床業務が繁忙であり、共同研究者との円滑なコミュニケーションや研究を十分に進めることが困難であったため。引き続き研究代表者側では臨床業務が繁忙なため、次年度使用額については主に共同研究者側へと振り分けて研究を進めていただく方針としている。
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