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2021 年度 実施状況報告書

機械学習を用いた脳白質神経自動描出と脳外科手術患者への画像支援システム構築

研究課題

研究課題/領域番号 20K08016
研究機関東京大学

研究代表者

鈴木 雄一  東京大学, 医学部附属病院, 診療放射線技師 (70420221)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード機械学習 / 拡散強調画像 / tractography / segmentation
研究実績の概要

tractography自動描出フリーソフト(Tractseg)を脳動静脈奇形患者(AVM)に用いて、神経線維束描出にどの程度影響が及ぼすか検討した。ガンマナイフ治療予定患者53名に対し、3.0T MRIを使用して多段面同時励起技術(SMS)を併用し、従来よりもほぼ半分の撮像時間で過去に撮像された拡散強調画像を利用し、各種前処理を行った後に各神経線維束を描出した。ほとんどの線維で描出が可能であったが、もともと描出線維数が少ない、前交連線維や脳弓の描出ができない場合もあった。
上記のデータの内、錐体路近傍にAVMが存在する14名に対して、錐体路描出の傾向を調査した。7名は明らかに錐体路がAVMに強く押されている症例(Aグループ)、残り7名は錐体路がAVMに触れていると思われる症例(Bグループ)に分けて解析をおこなった。Aグループでは、1名錐体路描出がなされなかった。また他2名でAVMよりも頭頂側の錐体路描出低下が疑われた。健側に対して、有意に描出容積が低下する結果となった。一方、Bグループでは、健側と比較しても描出精度の低下は認められなかった。これにより、特にBグループにこのソフトを用いても有用性が高いことが示唆された。この内容を第49回日本磁気共鳴医学会にて報告した。
また、過去に脳外科手術の術前用に撮像されたtractography用の拡散強調画像(MPG64軸)を用いて、少ないMPGデータから本来は撮像で得られるはずの拡散強調画像をAIで生成するプログラムの開発に着手した。次年度にこちらも含めて報告する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

過去の得られたデータを解析に用いて、脳動静脈奇形患者に対する適応や傾向を把握することが出来たため。
上記はフリーソフト(TractSeg)による検証であるが、独自にAIを用いたソフトウエアの開発に着手し始めたため。

今後の研究の推進方策

今後は、TractSegの脳動静脈奇形患者以外に対する適応がどの程度あるのかを検討するとともに、現在開発中のAIの精度向上を進めていく予定である。
成果は、今年度中に国内学会にて報告する予定。

次年度使用額が生じた理由

学会参加への旅費が想定より生じなかったことなどが考えられる。
次年度は、AI関連に費用が掛かる可能性があるためそちらへの使用を考えていきたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Effects of image quality deterioration and data shortage on automatic white matter bundle segmentation by diffusion magnetic resonance imaging2021

    • 著者名/発表者名
      Yuichi Suzuki
    • 学会等名
      2021 ISMRM & SMRT Annual Meeting & Exhibition
    • 国際学会
  • [学会発表] 脳動静脈奇形患者における脳白質自動抽出ソフトを用いた錐体路の描出能評価2021

    • 著者名/発表者名
      鈴木 雄一
    • 学会等名
      第48回日本磁気共鳴医学会大会

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公開日: 2022-12-28  

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