研究課題/領域番号 |
20K08023
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
宮脇 大輔 神戸大学, 医学部附属病院, 特命准教授 (30546502)
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研究分担者 |
赤坂 浩亮 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (20707161)
椋本 成俊 神戸大学, 医学部附属病院, 特命助教 (70634278)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 放射線治療 |
研究実績の概要 |
現行の固定具は、枕やマスクを患者ごとに臨床現場で成型加工しており、その作成には緻密な用手的工程(熱可塑性素材を用手的に患者頭頸部にむらなく密着させ冷却して固める工程)が必要であり、その固定精度は作成担当者(主に診療放射線技師)の技術・熟練度に依存する部分が多く、熟練者であっても1時間程度の時間を要するという非効率を生み出していることが臨床上の問題となっている。元より体調が低下しているがん患者に不動の姿勢を長時間保持させて作成しているのが現状である。しかも、固定具の素材は経時的に改善されて来てはいるが、基本的な作業工程は、この20年以上、ほとんど変化していない。今後のさらなる放射線治療の発展に向け、補助固定具を自動で且つ可及的正確に作成出来る全く新しい発想に基づいた精密な新技術の開発が必要である。 本年度は、①頭頸部データの取得および解析、②頭頸部データに基づいた固定具の設計を予定していた。実際の頭頸部画像のデータから、ソフトウェア処理により3Dポリゴンデータ化する手法を実践できた。また、放射線治療の現場の意見をもとに、固定具の形状の大まかな設計を行うことが出来た。人体模型を使用して、CT画像を撮影・データ取得し、ソフトウェア処理により3Dポリゴンデータを取得し、使用した人体模型に合った固定具の3Dデータ作成を行った。また、CT撮影時の管電圧とCTスライスピッチが与える影響を検証した。具体的には120mV~80mVでX線強度変更を実施して評価した。管電圧は固定具のサイズにほとんど影響を及ぼさないことを確認した。またCT撮影ピッチについても1㎜~5㎜のデータを取得して評価し、撮影ピッチも固定具のサイズにほとんど影響を及ぼさないことを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19流行により、研究開始当初はミーティングが行えず、研究が滞っていた。WEBのミーティングシステムを用いて、徐々に研究協力者との意見交換を行えるようになっている。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に示しているとおり、頭頸部データの取得および解析、頭頸部データに基づいた固定具の設計、頭頸部固定具の試作、頭頸部固定具試作品の固定精度の評価を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度はCOVID-19の影響により当初研究が滞っていたため、繰り越しが生じている。WEB会議システムを用いることにより研究が進んできており、次年度は、本年度の遅れた分の研究を進め、また研究計画の通り、試作品の作成や評価などを予定している。
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