研究課題/領域番号 |
20K08028
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
高山 幸久 福岡大学, 医学部, 准教授 (60546563)
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研究分担者 |
久保 雄一郎 九州大学, 医学研究院, 助教 (00844804) [辞退]
西江 昭弘 九州大学, 医学研究院, 教授 (20457427) [辞退]
石松 慶祐 九州大学, 大学病院, 助教 (20800147) [辞退]
牛島 泰宏 九州大学, 大学病院, 講師 (40432934) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 肝線維化 / MRI / T1rho / T2 / 肝壊死炎症 |
研究実績の概要 |
目的:T1ρ計算画像とT2計算画像を用いた肝線維化、肝炎症壊死、非侵襲的な肝細胞機能との関連を評価する。 方法:肝腫瘍術前にMRIにてT1ρとT2マップを撮影し、術後に組織学的結果が得られた82名(男/女=53/29、平均年齢=73.8才)を対象とした。T1ρ計算画像はスピンロック時間(0,20,40,60ms)、T2計算画像はエコー時間(0,20,40,60ms)を用いて撮影。肝実質のT1ρ値とT2値は脈管や病変を除いた関心領域を3箇所設定し算出。壊死炎症(A)と線維化(F)は術後の組織学的評価、肝障害度はMRI撮影日近傍の採血結果より評価したChild-Pugh分類(CP)を使用した。T1ρ値やT2値と、Fステージ、Aステージ、CPグループの関係をスペアマン順位相関係数にて評価。また、各ステージもしくは各グループ間において平均値をTukey-Kramer HSDtestにて対比した。 結果:T1ρ値とT2値それぞれの、CP、F、Aとのスペアマン順位相関係数は、T1ρとFステージは0.55、Aステージは0.46、CPグループは0.48で、T2とFステージは0.51、Aステージは0.37、CPグループは0.40だった。いずれも有意な相関を示した(p<.0001)。グループ間での比較では、T1ρがF0とF3、F0とF4、F1とF3、F1とF4、F2とF4、A0とA2、A1とA2、CPAとCPB、CPAとCPC、CPBとCPCの間、T2がF0とF4、F1とF4、F2とF4、A0とA1、A1とA2、CPAとCPB、CPAとCPCの間に有意差を認めた。CPは、T1ρがいずれのペアにて、T2がCPAとCPB、CPAとCPCの間に有意差を認めた。ただし、診断能はT1ρとT2の間に有意差は認めなかった。 結論:T1ρ値とT2値を用いて肝線維化、壊死炎症、肝障害を定量的に評価できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究目的はほぼ達成し、論文を投稿した。
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今後の研究の推進方策 |
症例のデータは十分に収集できており、一定の成果は発表済みである。人工知能を用いた精度や再現性の向上を図りつつ、肝線維化や肝壊死・炎症を評価できるかどうか検討する。
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