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2021 年度 実施状況報告書

放射線治療時の抗腫瘍免疫感受性を決定する遺伝子変異同定とリキッドバイオプシー開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K08032
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

吉本 由哉  福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (80594390)

研究分担者 尾池 貴洋  群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (10643471)
田巻 倫明  福島県立医科大学, 医学部, 教授 (20400749)
鈴木 義行  福島県立医科大学, 医学部, 教授 (60334116)
三村 耕作  福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (90568031)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード抗腫瘍免疫 / 放射線治療抵抗性 / 網羅的遺伝子解析 / リキッドバイオプシー
研究実績の概要

本研究は、放射線治療抵抗メカニズムの解明と治療耐性群の同定法開発を行うことを目的としている。我々はこれまで、放射線治療がその効果を発揮するためには宿主の抗腫瘍免疫が必須であることを示してきた。子宮頸癌根治的放射線治療症例における網羅的遺伝子解析を行ったところ、FGFR遺伝子変異が治療耐性・予後不良に関与していることを新規に見出した。見出した遺伝子変異はFGFRファミリー1-4にわたり、領域も様々であるが、がん原性が証明されている変異のみでなく、新規の変異を含む。これら変異のがん原性を証明することを目的に、他コホートにおいてFGFR1-4全長の変異を次世代シークエンサーで検出した。その結果、FGFR変異に加えてFGFRの一塩基多型が治療耐性・予後不良に関与していることが示された。
臨床上有意義な変異を実臨床で同定するために、リキッドバイオプシー法が有効である。見出したFGFRの一塩基多型は日本人の数割と多くが保有しているため、体細胞変異に加えてこの多型を検出することで、子宮頸癌の多くの症例において予後予測に応用できる可能性がある。昨年度までに見出した変異遺伝子と相互排他の関係に加えて、この多型を検出することで多数の症例で有効なリキッドバイオプシー法などに応用することが可能と考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

FGFR1-4変異のがん原性を証明することを目的に、他コホートにおけるFGFR1-4変異の治療耐性・予後不良を検討したところ、相関が認められた。 さらに、一塩基多型が予後に関与することが示唆された。
リキッドバイオプシー法開発のためには、数多くの遺伝子変異から標的変異を同定することが重要かつ困難である。昨年度までに見出した相互排他の関係に加えて、予後に関与する一塩基多型を見出したことより、今後のリキッドバイオプシー法開発の進捗に寄与すると考えられる。

今後の研究の推進方策

現在までに得られた知見を元に、子宮頸癌の放射線治療感受性と予後を推定するリキッドバイオプシーパネルを作成し、前向きに集積したパイロットスタディコホート10例の腫瘍DNA、正常DNA、血清からのcfDNAを対象としてその性能を試験する。

次年度使用額が生じた理由

感染症対策の一環として学会の現地参加を取りやめた。
次年度以降の学会参加で使用する。
一部の消耗品は、効率化のために、前段階の結果解析まで購入を見合わせた。
結果解析が完了したため、最終年度に使用する。

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公開日: 2022-12-28  

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