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2022 年度 実施状況報告書

透明・軽量・フレキシブルな放射線検出器の開発と2次元リアルタイムイメージング

研究課題

研究課題/領域番号 20K08036
研究機関東京電機大学

研究代表者

石井 聡  東京電機大学, 理工学部, 准教授 (90442730)

研究分担者 足立 直也  東京電機大学, 理工学部, 准教授 (30553515)
小西 輝昭  国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子生命科学領域, グループリーダー(定常) (70443067)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード放射線検出器 / 2次元イメージング / センサアレイ
研究実績の概要

前年度に3次元構造をもつセンサアレイを作製したが,リーク電流が発生することが判明し,原因として絶縁体となるポリマー層がうまく形成できていないことが考えられた.これに対して作製プロセスの改善を試みたが解決できなかっため,2次元構造に変更することにした.これにともない新たに電極構造を設計し,メタルマスクを用いたCNT分散液のスプレーコートにより3×3個の櫛形のCNT薄膜電極の配列を作製した.また,検出部となるTIPSペンタセン薄膜の形成方法も見直し,ドロップコートにおける滴下量及びベーキング温度などの形成条件を綿密な探索により決定した.
一方,X線量の2次元分布を可視化するためのイメージングシステムの構築を進めた.具体的にはセンサで発生するX線電流の測定系を製作するとともに,個々のセンサから順番に電流を読み出して線量率に変換し,その2次元分布を画像化(イメージング)するためのプログラムを作成した.
実際にX線照射実験を実施し,線量率に依存した大きさの電流を観測することでデバイスの動作を確認できた.また,まだ静止画の状態ではあるが,線量率のイメージングも確認できた.
しかしながら,目標であるリアルタイムでのイメージングには至っておらず,その原因として電流ノイズの発生で測定速度が遅れることに加えて,プログラムにおいて電流から線量率に変換する部分が効率的でなかったことが上げられる.これに対して,今後は電流ノイズを軽減するために配線などの測定系を改良するとともに,プログラムの線量率から画像化を行う部分を修正する.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウィルスの影響により,計画全体が1年程度遅れている.本年度は当初2年目に計画していたイメージング検出器の作製とイメージングシステムの構築を進めた.イメージング検出器については,前年度から採用している検出部にTIPSペンタセンを用いる方式により,3×3個のセンサアレイで構成されるデバイスを作製した.また,イメージングシステムについても基本的なプログラムを完成させ,デバイスから順次発生電流を読み出せるようにした.複数回のX線照射実験を実施し,デバイスによるX線の検出を確認するとともに,X線電流を線量率の2次元分布へと変換するところまでを終了した.

今後の研究の推進方策

X線の線量率について2次元分布をリアルタイムでイメージングできるようにシステムを改良する.現在のところ,データは全てのセンサから取り込んだ後に一括して線量率に変換しているため,リアルタイムでの2次元線量分布の画像化には至っていない.これに対して,個々のセンサごとに測定から画像化までをリアルタイムで行えるようにプログラムを改良する.また,データ取込速度の遅延が画像化にかかる時間を長くするため,原因となる電流ノイズを軽減するために測定系の改善も図る.

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルスの影響による計画の遅延により,当初の計画より外部施設での実験回数が少なかったため.
翌年度の実験のための外部施設への旅費及び測定系の整備に必要な部品類を購入する計画である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ペンタセン/CNT電極を用いた放射線検出器アレイの作製とX線測定2023

    • 著者名/発表者名
      川口寛仁,須田充,石川剛弘,小西輝昭,濱野毅,石井聡
    • 学会等名
      第70回応用物理学会春季学術講演会

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公開日: 2023-12-25  

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