研究課題/領域番号 |
20K08039
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研究機関 | 広島国際大学 |
研究代表者 |
林 慎一郎 広島国際大学, 保健医療学部, 教授 (20238108)
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研究分担者 |
五東 弘昭 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (80635235)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ゲル線量計 / 医学物理 / ヨウ素錯体 / 光学CT / 三次元線量分布 / 放射線治療 / 品質保証 / 品質管理 |
研究実績の概要 |
初年度(2020年度)は、先の研究で開発された部分ケン化型ポリビニルアルコール(PVA)とヨウ化カリウム(KI)、還元剤としてフルクトースを基本組成とするいわゆる”PVA-I”ゲル線量計をもとにして、自動酸化の抑制や繰り返し利用のための初期化の高速化に関していくつかの改良を試みた。また、同様に放射線照射によるヨウ素錯体形成による発色を利用した線量計として 1) ホウ酸によって架橋された完全けん化型PVAとヨウ素による錯体形成に基づく青色発色を利用したゲル線量計、および2)可用性デンプンとヨウ素の錯体形成による青紫発色を利用したゲル線量計を試作し、その可能性を検討した。ただし、コロナ禍の影響もあり、施設の利用や出張が大幅に制限され、予定されていた実験および学会発表の多くを行うことができなかったが、上記の基礎的な実験により今後に向けた有望なヒントが得られた。 これらの結果は国内外の学会にて報告予定であったが、コロナ禍による中止や延期を受けて、その一部のみ、オンライン開催された幾つかの学会(第119回日本医学物理学会学術大会(5/15-6/14, Web)、AAPM 2020 (7/12-16, USA, online))、第63回放射線化学討論会(12/12-14, online)、日本原子力学会中国・四国支部第14回研究発表会(12/12, online)、第68回応用物理学会春季学術講演会(3/16-19, online)で報告した。 一方、光学CTによる3次元評価も、施設利用の制限から多くは行えなかったが、いくつかの試作したゲル線量計に対して実施し、治療計画との比較方法や較正手法に関して初期課題の洗い出しを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍により学内外の施設の利用が大幅に制限され、出張を伴う実験やディスカッションが実施できなかった。また、光学CTによる3次元評価に関しても、機材を有する共同研究者(横浜)の職場においても入構が制限されたこともあり、3次元読み取り・解析・評価まで進めなかった。従って総合的に見るとやや遅れていると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
R2年度に開発したヨウ素錯体ゲル線量計に関して、組成最適化の他、透明度の向上や作製手順など、まだ改良の余地が多分に残されているので、それらに関する実験を引き続き行う。また、初年度に十分できなかった、より有望な色素の探索も引き続き行う。 また、光学CTによる3次元評価に関してもゲル化剤とプローブ波長の最適な組合せや遅れているデータ読み取り手法、および3次元解析手法の構築を引き行う。 最終的には光学CTに最適化されたゲル線量計を用いて3次元線量分布評価のプロトコルを確立する。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)コロナ禍により学内外の施設の利用や出張が大幅に制限され、出張を伴う実験や学会(特に海外での学会参加)でのディスカッションが十分実施できなかった。また、それに伴い、試薬や器具の購入が遅れた。 (使用計画)R2年度に購入できなかった、各種試薬や容器等の器具を購入する。また、学会が再開され次第、発表を行う。さらに光学CTによる読み出しやデータ処理などとともに線量計の特性評価を進め、3次元評価方法の確立を加速する。
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