研究課題
今年度は、昨年度に実施したX線照射マウスおよびクプリゾン投与マウスで得られた結果について論文するため、再試を実施した。これらの結果については、現在、論文投稿準備中である。他に、アダルトマウスを用いて炭素イオン線を照射したモデルマウスの作製を試みた。炭素イオン線照射モデルマウスはX線照射モデルマウスと比べて、同様の効果を示す時期は早まる可能性はあるものの、作製までに照射後数か月を要するため、経過観察を続けている段階である。併せて、生後発達期におけるオリゴデンドロサイトや他の脳構成細胞、ミエリン形成の放射線生物学的効果について調べるために、生後直後(P1)のマウスをX線1Gyまたは4Gy, 炭素イオン線1Gyにて照射し、照射後3週間にてサンプリングした脳を固定・包埋した。これらの組織を用いて、各細胞の形態およびミエリン形成の様子を免疫染色法により解析している。併せて、各細胞のクロストークについて理解しやすくする目的で、正常ヒト神経幹細胞を用いたオリゴデンドロサイト、神経細胞、アストロサイト、ミクログリアの培養法について検討を進めた。しかしながら、まだ照射実験に使用できるような段階には至っておらず、現在、より良い環境での培養条件を確立すべく、条件検討を行っている。確立後は、可及的速やかに放射線照射実験を行い、各細胞における放射線感受性とそのクロストークについて調べる予定である。他の業務との兼ね合いや培養条件の確率に想定以上に時間を要していること等によりスケジュールが大幅に遅延している。次年度はさらに研究体制を整えて、研究が円滑に進むよう調整していきたい。
4: 遅れている
他の業務が立て込んでいること、培養条件の確率に想定以上に時間を要していること等の理由による。
残りの期間で成果が得られるよう計画の一部を変更して実施する。また、研究が円滑に進むよう研究支援者を雇用したい。
計画通りに研究を遂行できなかったため使用額に変更が生じた。繰り越す助成金で研究支援者の雇用および研究を遂行するための消耗品を購入する予定である。
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 4件)
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