研究課題/領域番号 |
20K08050
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
田中 憲一 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (70363075)
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研究分担者 |
廣木 章博 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 先端機能材料研究部, 主幹研究員(定常) (10370462)
櫻井 良憲 京都大学, 複合原子力科学研究所, 准教授 (20273534)
遠藤 暁 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (90243609)
梶本 剛 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 助教 (70633759)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 中性子捕捉療法 / 蛍光体 / 線量評価 / 線質評価 |
研究実績の概要 |
線質・線量の両方を測定する輝尽蛍光体の第一案として、BaFBr:Euを定法で作成した。これに対し、励起光波長に依存した発光量の照射放射線LETによる変化を測定した。照射には、広島大学工学部に現有のCo-60, Sr-90, Am-241と、バンデグラフ加速器からの陽子を用いた。励起光は532nmおよび650nmとした。その結果、過去の報告より大きな波長依存性を発見した。具体的には、Co-60γ線(LET:1.2keV/μm程度)を基準に取れば、既存のイメージングプレート製品(富士フィルムBAS-TR)に対し、10keV/μmでは532nm/650nm比が0.9から1.2とばらつき、一様な傾向が観測されていないのに対し、本研究で作成した蛍光体では10keV/μmでは532nm/650nm比が1.3、83keV/μmでは1.4と一様に増加する傾向を取得できた。この要因は、①本研究の蛍光体が無着色の白色であったのに対しBAS-TRでは励起光などの特性への配慮から群青に着色されており、650nm励起光が蛍光体深部に届きにくいこと、②蛍光体厚さがBAS-TRで50ミクロンに対し本研究で作成したものは10μm程度であり、Am-241α線でも突き抜けるため相対的に532nm/650nm比が大きくなること、③高LET照射で2.5eVのF(F-)中心に電子が捕獲される頻度が高く、532nmで励起され発光する事象が増えていることが考えられる。一連の測定を通して、ここで作成した蛍光体では0.2 keV/μmから83 keV/μmに対して532nm/650nm比が0.9から1.4と変化することを明らかにし、これを用いて線質と線量を測定することを第一案として選定した。 加えて、XYZステージを整備し、作製したBaFBr:Euの位置を操作して照射場の2次元分布を測定する補助手法の検討を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初目標とした蛍光体の作成と、波長特性の線質依存性を種々のLETの放射線に対して取得し、線質・線量の測定に使う蛍光体材質と読み出し手法(励起波長)の選定を予定通り終え、次年度に行う2次元検出器の概要設計・作成の準備ができたため。
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今後の研究の推進方策 |
まず薄い透過型の検出器について、設計と作成・性能評価を行う予定である。その後、やや厚いボーラス兼用の検出器について詳細な設計検討を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
現有の薬品の併用により、経費を節減できたため。 次年度以降の光学部品、計算機、薬品に利用する。
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