研究課題/領域番号 |
20K08050
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研究機関 | 京都薬科大学 |
研究代表者 |
田中 憲一 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (70363075)
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研究分担者 |
廣木 章博 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 先端機能材料研究部, 併任 (10370462)
櫻井 良憲 京都大学, 複合原子力科学研究所, 准教授 (20273534)
遠藤 暁 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (90243609)
梶本 剛 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 助教 (70633759)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 中性子捕捉療法 / 品質保証 / 蛍光体 / 線量 / 線質 |
研究実績の概要 |
線量測定にも併用できるボーラスを補助的に用いることを想定し、その候補として色素ゲル線量計の基本仕様を検討した。ポリビニルアルコール(PVA)と三ヨウ化物イオンの錯化を利用して青色に着色するものである。線量に対する感度を高く、応答を線形に、かつ検出限界を低し、薬剤の溶け残りなどによる不均一さを排する視点で組成を最適化した。結果としてGG:0.15wt%、PVA:0.06wt%、ヨウ化カリウム:0.15M、ホウ酸:0.2M、TBAA:3mMの組成を選択した。さらに、フルクトース0.2Mを加えることで45℃加熱による脱色を可能とし、繰り返し用いることができるようにした。 2次元検出器としての蛍光体保持の実験を進めた。選定したのはラミネートフィルム中に乾燥状態の蛍光体を2次元に散布し封入する方法である。ボーラスとして併用する場合には、この2次元検出器をボーラス材に挟む。ボーラス材の機能を検討した。これには現状では模擬計算を用いた段階であるが、実験による検証を今後、計画している。計算では、Phisコードにより、京都大学原子炉の基準熱外中性子照射モードで照射した際の水ファントム内の各ビーム成分の線束と線量の分布を評価した。結果として、水、ポリエチレン、PVA色素ゲル、HPCゲル、MAGATポリマーゲルいずれの材質の場合にも、水をボーラスとして用いた場合からのずれは計算の誤差5%の範囲内と、ボーラスとしての有用性を示唆することができた。 蛍光体選びに立ち返り、アルミナの輝尽蛍光体としての特性検討を開始した。
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