研究課題/領域番号 |
20K08051
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
立神 史稔 広島大学, 病院(医), 講師 (90411355)
|
研究分担者 |
粟井 和夫 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (30294573)
檜垣 徹 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (80611334)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 心拍出量 / 深層学習 / 心臓CT |
研究実績の概要 |
昨年度は心臓CTの造影検査前に得られる患者情報(年齢・性別・身長・体重・CT検査時の心拍数・心胸郭比)から、心係数を推定できるかどうかを後ろ向きに検討した。しかしながら精度は66%と低かったため、今年度は上記に加え、患者の腹囲、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧をも加味することとし、再度検討を行った。対象は、256列CTもしくは320列CTを用いて心臓CTが施行された症例のうち、心機能解析のためにprospective scanにて1心拍撮影が施行された88症例を対象とした(100kVまたは120kV、400-740mA)。各症例に対し、ワークステーションを用いて1心拍分の心臓CTデータからStroke volume(mL)を算出した。上記の患者因子を入力データ、検査後に得られたStroke volumeを教師データとし、SVM(Support vector machine)を用いて、患者因子のみからStroke volumeを推定するようトレーニングを行った。今回はStroke volume 70mL以下を心機能低下と定義し、leave one out法を用いて、CT検査前の患者因子から心機能低下の有無をどの程度推測出来るかを検討した。その結果、Stroke volumeは腹囲、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧のいずれとも有意な相関関係は認められなかった。精度も68%と低く、昨年(66%)と同等の結果であった。以上より、今回使用したCT検査前の患者因子からは、心機能低下を正確に予測することは困難と思われた。なお、今回の検討では心機能低下の症例が比較的少なく、十分な検討ができていない可能性があると考えられた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今までの検討では、CT検査前の患者因子から心機能低下を予測することは困難と思われた。新たなパラメータの検討や症例の増加が必要である。
|
今後の研究の推進方策 |
今回の検討では心機能低下の症例が比較的少なく、十分な検討ができていない可能性がある。今後は、心機能の低下した症例を増やすとともに、別のパラメータの使用も検討したい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス蔓延により、2021年11月28日~12月2日に参加予定であった北米放射線学会および4つの国内学会への現地参加が出来なかったため。 2022年度に当該学会に参加することとする。
|