研究課題
昨年度までは80例程度の症例を用いて検討を行っていたが、DCNNによるStroke volume (mL) の分類精度は70.1%と十分ではなかったため、今年度は202例まで症例を増やして同様の検討を行った。対象は、心機能解析のためにprospective scanにて1心拍撮影が施行された202症例で、前年度と同様、CTの位置決め撮影で得られたスカウト画像(正面像および側面像)と患者の年齢、性別、身長、体重、心拍数を入力データとして使用し、1心拍分の心臓CTデータから算出されたStroke volumeを回帰問題として推定するネットワーク構造を構築した。ネットワークはVGG16をベースに構造探索を行って16層のDCNN(畳み込み層9層、全結合層7層)に最適化し、10分割交差検証で評価した(202症例を10グループに分けて、9グループを学習、1グループを評価に使用し、交差検証を行った)。その後、Stroke volumeを3つのカテゴリー(< 50mL、50 - 100mL、> 100mL)に分類し、DCNNによる分類精度を検討した。測定されたStroke volumeの値とDCNNによって予測された値の間には、中程度の正の相関を認めた(r = 0.48、p < 0.05)。DCNNによる分類精度は71.7%と前年度よりやや向上したが、臨床で使用するには依然不十分と考えられた。昨年度は症例数を増加させて検討を行ったが十分な精度とは言えず、今後は転移学習を利用して認識精度の向上を試みる必要があると考えられる。
3: やや遅れている
今年度は202例まで症例数を増加させて検討を行ったが臨床で使用するには精度が不十分である。
転移学習を利用した認識精度の向上が必要と考える。
新型コロナウイルス蔓延により、参加予定であった学会への現地参加が出来なかったため。2024年度に当該学会に参加することとする。
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Diagnostic and Interventional Imaging
巻: 104 ページ: 521-528
10.1016/j.diii.2023.06.011