研究課題
前年度までに行った、管理学的・生物学的推定のデータ収集の完了と、物理学的・生物学的手法の検討を行った。I-131病室入院者において、実効半減期(クリアランス)に相関するパラメーターとして、腎機能、腫瘍サイズ、治療前後の血中Levothyroxiine値、および治療4週後のT3値が認められ、これらを用いることで被ばく量のある程度の推定が可能であることが明らかとなった。また、追加検討として、I-131治療病室における、看護従事者の被ばく可能性についての検討を行い、病室内環境線量はI-131内服後3~6時間後には低下が始まること、空間的にはベッドサイドおよび病室内サイドテーブル周囲での線量が高いことが明らかとなった。線量は0.0084μSv/10分程度であり、看護師の10分以内の病室内滞在であれば、被ばくの影響を考慮する必要はなく、看護の向上に伴う患者管理の向上につなげられるデータが得られた。F-18 FDG PET検査時におけるDNA損傷と被ばく量パラメータの関係についてのデータ収集が終了した。リンパ球の染色体形態変化の測定による方法で、71例のデータを検討、FDG PET検査によってわずかな染色体異常が生じること、CTによってさらに追加の染色体異常が生じること、FDG投与前の異常染色体数が少ない症例においてFDG PET/CTに伴う染色体異常の増加率が高く、投与前から異常数の多い症例ではむしろ染色体異常が逆に減少する予想外の傾向が認められた。原因について現在考察中である。また、本研究と同様の研究を行っている広島大学とのデータの交換で、大学間のCT線量の違いが明らかとなり、CT線量について追加検討を行っている。また最終年度の10月に研究施設のPET/CT装置が交換されたため、撮影装置の変化がFDGによる被ばく線量推定に影響を与えるかをOLINDAを用いて検証中である。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 オープンアクセス 5件、 査読あり 3件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 4件)
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